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2019年10月16日 (水)

「なんでわかるん?」

私はレッスン中に、子ども達に滅多に「わかった?」とは聞かないのですが、時々その言葉を口にするときも、子どもが返す答えではなく、表情や反応を見ています。

今日のあるレッスンで、公立中なのに結構進度が速い中学校の子が、中間考査が終わった途端かなり授業が進んでいて、こちらで先にやっていた以上に授業を受けてしまっている状態でした。
ただ、先生から説明され、ノートを取ったり、プリントの穴埋めをしたりしているだけでは、きちんと理解していないことも少なくないので、習ったらしい範囲の問題を数問、順に解いてみてもらいました。

すると、その単元ではある意味基本中の基本でもある、三角形の2つの内角の和は他のひとつの外角に等しいというところを理解していないようだということがわかりました。
もちろん、その類の問題の多くは、そのことを覚えていなくても、三角形の内角の和が180度で、一直線は180度であるということさえ覚えていれば途中の手間が増えるだけで解くことはできますが、意味さえ理解していれば計算を減らすことができ、間違う確率も減らせますので、理解はしておくに越したことはありません。

その子は数学のセンスはまずまずなので、授業で聞いて理解しきれなかっただけで、きちんと説明すればわかるだろうと思ったのですが、最初の説明では「あ~、うん、だいたい分かったわ」との反応。でも、その子のその反応は絶対本当に理解した状態ではありません。
そこで、更に別の図を描いて説明したところ、「あ~、さっきよりだいぶわかってきた」と。でも表情を見る限り、本当に理解したようには思えませんでした。
そこで更に、紙を使って三角形を作り、その角のうち2つを破り取って移動させて見せ、「こういう意味やけど、これでもわからん?」と尋ねて表情を見ていると、しばらくその紙を見つめ、「ちょっと待ってよ…」と言った後、感触としてはまだ100%ではなさそうでしたが、95%ぐらいは納得したかなという様子で「ああ、そういうことか!」と。

そこで再度問題に戻ってもらったところ、先ほどとは反応が変わり、ぱっと分かるという感じではないものの、明らかに考えているのが伝わってきましたので、ひとまず大丈夫そうだなと「さっきはだいたい分かったって言ったけど分かってなかったもんね」というと「え?なんでわかるん?」と言われました。

子どもによっては表情などで判断がしづらい子も時々いますが、大半の子はきちんと見ていれば大抵判断はつきますので、それを不思議がられても…とは思いますが、きっとそんな風に指導する先生はそう多くないのかもしれないなとも(一度に指導する人数の関係もあるでしょうから)思います。

 

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