楽しみではあるけれど
先日から来てくれている4年生さんは、これまで数年間有名なプリント反復の教室に通っていたそうで、小5の内容の途中まで終わっていると伺っていました。
ただ、その教室では計算問題しかしないということは色々な方から聞いてもいましたので、まずは4年生の学習内容で既に知っているものと知らないものを確認し、今日のレッスンではまだ知らない内容のうち、夏休み明けに学校でしそうなところを少し一緒にしてみました。
ひと通りおさらいを兼ねて確認できるようにと思い、基本の教科書ワークもしてもらおうと用意したので、問題自体はそう難しいものではなく、ご親切なことにワークに既に線分図まで描かれているような問題から始まりました。
85ページの本を2日で読み、2日目の方が15ページ多い場合、1日目、2日目それぞれ何ページ読んだかというのが最初の問題だったのですが、その問題のところには線分図が2本。1本目より2本目の方が長く、その長さの差のところに15ページと書かれており、合わせて85ページということまで、つまり、書く必要のあることは全て書かれている状態でした。
体験レッスンやここ2回ほどのレッスンの印象では、そこまで書かれていればあっさり解いてしまうのでと思っていたのですが、全く予想に反して、とりあえず何か考えているようではあるものの、いつまで経っても答えに辿り着きません。合わせると85ページにならない答えであったり、差が15ページになっていない答えであったりと、答えを4、5回は書き直したでしょうか。
その姿を見て、これは思ったよりプリント反復に毒されている可能性があるなと思い、敢えてやり方は教えず、しばらく試行錯誤してもらいました。そのうち正解に辿り着いたので、似たような考え方でできる次の問題を考えてもらったところ、再び何度も何度も答えを書いては確かめ、数が合わないことが分かるとまた書き直しては確かめるということを繰り返していました。
その問題にも既に線分図が描いてあるにもかかわらず、その図が「見えて」いないのか、見る気がないのか、とにかく適当に当てはめては確かめるということをしているように見えました。
そこで、「もしかして、さっきの問題も適当に当てはめてたら数が合ったの?」と尋ねると、そうだと言います。当然今の問題も同じように適当に置いてみて合うかどうか確かめているのでしょう。
「図が描いてあるのに、それは見ないの?」というと、ようやく「見た」のでしょう。何か少し考えているような雰囲気になりました。そして、その後答えに辿り着きました。
この子の場合、多少の声掛けで図を見て何か考えたようでしたので、毒が抜けるまでにそう時間はかからないのではないかと思いますが、少なくともこれまで、じっくり考えて問題を解くという経験はあまりしていないのだろうなと思えるのは少し気の毒にも思いました。
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