急がせない
今日のあるレッスンでのこと。
レッスンでは、例えば13は5が2段と一番上の段が3個というように、タイルの数をきちんと思い浮かべてくれますし、ややゆっくりながらも20までのたし算もひき算もできている1年生さんなのですが、学校のまとめテストのようなもので10までのひき算で何問か間違ってしまったとのことで、少しおさらいをすることになりました。
ただ、感触としては理解があやふやで間違えたのではないのではと思っていたので、おさらいをする前にその子に大事な話をしました。
学校では周りに速い子がいるとついつい焦ってしまって、よく考えずに答えを書いてしまうような子もいるでしょうし、先生によってはタイムを測ったりして速く計算させようとすることもあるかもしれません。
ですが、これまで見てきた子ども達は、ごく一部の生まれつき算数の才能に恵まれているような子以外はほぼみんな、初めのうちは考えることにとても時間がかかり、そんなにも長くかかるものなのか!と驚くほどであっても、そうしてじっくり時間をかけて考えることを続けていくうちに、気付けばスピードが速くなっているという変化を見せてくれました。
初めから理解が速い子は別として、初めは時間がかかるもののたっぷり時間をかけて自分が分かるまで考え続けた子はいつの間にか速く考えられるようになることがほとんどですが、じっくり考えようとせず、速く答えなくてはと適当な答えを書くことを続けている子は、いつの間にか算数ができるようになっているというようなことは起こりません。
その子に、学校では速くしなくちゃいけないと思うかもしれないけど、頭に思い浮かべて考えるのはとても時間がかかることなので、急がなくていいということ、そうして時間をかけて考えていたら、いつの間にか私もびっくりするぐらい速くできるようになった子がたくさんいたことなどを話したところ、真剣に聞いてくれて、レッスンでは落ち着いて考えてくれていました。
学校だと速くできる子が自慢してきたり、遅いと恥ずかしいと思ったりするような状況も起こりがちなので難しいところではありますが、考えることには時間がかかるのだということを大人も、子ども自身にもわかっていてほしいなと思います。
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