これまでずっと使ってきていた教材の販売が終了となり、それ以前から自作で教材を作ってきていたのですが、使っていた教材がカバーしていた範囲はひと通り作り終えた辺りから教材作成のペースがかなり落ちています。
それでも、5年生になってもワークブックよりプリントがいいと言い続けている子がいるお蔭で、その先も少しずつではありますが作り進んでいます。
これまでも自分で作るということになって初めて気づいたこと、意識したこと、疑問を持ったことなどが色々ありましたが、今回は「倍数」について問題を作ろうとしたときに、あれ?倍数って正の数のときだけいうんだっけ?と、極めて初歩的な疑問が湧きました。
というのも、「倍数を求めなさい」というような表現は記憶にある限り小学校でしか出てこず、-4は2の倍数なのかどうかというあたりを習った記憶がありませんし、独立前から数えるともう人生の半分近くは子どもと一緒に算数や数学をしてきているのに、問題を解く際、そういう問題に出合ったことがありませんから、恐らく世の多くの中高生は機会がなければ特に意識もせぬまま通り過ぎ、大人になっても考えることがないのではないかと。
問題を作る際、算数では教えなくても、数学では必要になる約束事など、どこまで取り入れるか、どこまで説明するかなども難しいポイントですが、数学では間違いになる、嘘になるというようなことを教えるのはやはり躊躇われます。
そういうところを算数の教科書などではどうしているのかな?とこれまでにも色々調べたこともあります。
例えば、図形の学習で直方体や立方体を学習する際、図の部分を指して「この平らなところを面といいます」のような説明がされたりするのですが、直方体や立方体であれば、確かに平らな部分が面ですが、面が平らなわけではありません。円柱の側面や球の表面など、曲面も面なわけですが、では、面をどう説明するか、定義を調べると、小学生に理解させるにはなかなかに難しそうで、となると、色々な立体の図について、これも面、これも面…と面というのが何を指すのか理解してもらうなどするのが、算数の段階では嘘のない理解のさせ方なのかなと思います。
で、話は倍数に戻りますが、そういえば0ってある意味全ての数の倍数なのでは?さらには0は小学校で習うし、0のかけ算も習うということは、負の数はともかく、全ての数の倍数に「0」を入れないといけないのでは?と。
そこでまた調べてみたところ、これまたどの教科書でもどうやらそのあたりは誤魔化しているということがわかりました。
なぜなのかもう少し調べたところ、0を倍数に含めると、約分などの際ややこしくなるからというようなことを見たのですが、そもそも、分数で分子や分母が0になるものは扱いませんから、小学生の段階では曖昧にするより、0は全ての整数の倍数ではあるけれど、算数では習わない0より小さい数にも倍数はあるので、算数では0より大きい倍数について学ぶと断る方がすっきりするのではないかと、個人的には思いました。(特に、算数が好きな子、能力が高い子などは、そこに疑問を持って調べ、なぜ0は入れないのかと引っかかる場合もあるかもしれませんし。)
しかし、こうして問題を作る側になって初めて、受け身で習ったことは本当にそれ以上に調べて深めていこうとはなかなか思わないものだなと感じます。だからこそ、子ども自身が気づき、学び取る機会は本当に大切にしたいとも思います。
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