分数の割り算
子ども達と分数の割り算を学習すると、改めて感じることがあります。
特に「分数÷整数」のときにそれを感じることが多いのですが、教室の子達と分数÷整数をする場合、やり方を教えるわけではなく、図を描いたりしながら、子どもなりに考えて答えを出してもらうところから始まります。
すると、「8/9÷4」のようなものであれば、こちらが何も言わなくても、1/9が8個あって、それを4で割るのだからという感じで、ほとんどの子が当たり前に「2/9」の答えを出します。
それは何も難しいことではなく、8個あるのだから2個ずつになるという感覚です。
しかし、学校などで先に分数の割り算を「習った」子は、たとえそのまま分けられる問題であっても、上の問題であれば、わざわざ一旦分子に8、分母に9×4を書き、8と4を約分して、結果的に「2/9」の答えを出すことがほとんどです。
そういう子に「9分の1が8個あるんやから、2個ずつになるんじゃない?」などを声掛けをしても、ぴんとこない子もいるのです。
つまり、そういう子にとっては分数は量ではなく、ただの数字で、それを習った通りの方法で計算しているだけで、実際のところは自分が何をしているのかわかっていないとも言えます。
それは自分で意味を考える以前にやり方を習ってしまうからというところが大きいのだろうとも思います。
分数の割り算は一例ですが、習ってしまうと、意味を考えれば簡単なことでも面倒な解き方をしたり、そもそも自分が何をしているのか理解していなかったりということが起こる場合があります。
ですから、教える前にまず子ども自身に考えさせるということがとても大事なのだと思います。
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