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2019年1月28日 (月)

衝撃的だったこと

以前から書こうと思いながら随分日が経ってしまいました。
最近は、しようと思ったことをすぐに忘れてしまうことも日常茶飯事なのに、このことは時間が経っても頭から消えず、それだけインパクトがあったということなのだろうと思います。

冬休みのことでした。
ここに通ってくれているお子さんとつながりのある3年生さんに対して、スポットでレッスンをしてほしいとご依頼がありました。ちょっとお困りのようだったのと、冬休み期間で時間の余裕があったのとで来て頂くことになったのですが、某大手塾の超難関校コースの冬期講習を受けられることになったものの、初回の授業の内容がわからないといって困っているということでした。

そんな賢いお子さんが来るのかと思っていたのですが、おうちの方と一緒にやってきたその子は、挨拶しても目を合わしてくれず、教室内を落ち着きなくあちこち歩き回り、その辺のものを次々と触って、席につこうとしません。

うちの教室には発達上の困難を抱えている子達も通ってくれていたりするので、これまでにもADHDやアスペルガーの診断がついている子、発達遅滞の診断がついた子、はっきり診断はついていないもののグレーゾーンの子など、色々な個性を持つ子達ともレッスンをさせてもらってきました。

入ってきたその子の様子を見ると、これは何か気になるな…という印象を強く受けました。
席についてもらって、わからなかったというところのレッスンを始めても、こちらの言うことをろくに聞こうとせず、習ったらしきことをやろうとし、何度声をかけても目を合わせてくれません。

3年生にしては確かに難しいであろう、等差数列や等比数列などに関する問題を、なぜそうやって計算すればいいのか全く理解していない状態でやり方だけを覚えても、すぐに忘れて解けなくなるだろうと思ったので、どうしてそうすれば解けるのかを考えてもらおうと、何度も声掛けしたものの、全く聞く耳持たずの状態で、とにかく適当に計算をし続けようとするのです。

レッスンを始めて10分ほどの時点で、おうちの方に、この状態であれば私はお役に立てないかもしれないので、お役に立てなければレッスン代は頂きませんとお断りした上で、話を聞いてくれないのなら私は何もしてあげられることはない。解き方を教えればいいのなら教えられるけど、塾で教わってもわからなかったのに、解き方だけ覚えてもまたできなくなると思うし、それならする必要がないと思うなどと、自分の思いを精一杯伝え続けたところ、何かのきっかけで突然目が変わったのです。

あれ?と思ったのですが、目に力が宿ったというか、とにかく魂が戻ったような印象があり、その後ちゃんと目を合わせてくれるようになって、会話のキャッチボールも成立するようになりました。
そうなってからのその子は実際に3年生としてはかなり賢く、どうしてそうすれば解けるのかもほぼ理解できた印象を受けました。
自分の頭で落ち着いて考えられるようになると、さっきまでとは別人のように穏やかな顔になり、問題にすっと向き合っていく感じになりました。
そして、帰るときには来たときとは別の子のように穏やかで可愛らしい姿になっていました。

大袈裟に感じられるかもしれませんが、私自身心底びっくりしたので、ひと月ほど経ってもはっきりと覚えているのです。

発達障害の中でADHDなどは、ある説では糖分などを取り過ぎるとADHDのような症状が出ることがあるとも言いますが、その子のことを見ていると、全く理解できない状態で勉強を強いられるということが、大人には想像できないぐらいのストレスとなり、それが一種の発達障害のような状態を作り出していたということなのかもしれません。少なくとも、来たときのその子と途中からのその子は誰が見ても別人に思えるのではというほどの変化がありましたので…。

最近はお子さんの数も減っていて、幼い頃から熱心に学ばせるご家庭も少なくないだろうと思います。
学びには色々ありますし、その子の成長スピードや興味に合った学びであれば、どんどん進めていってもいいのかもしれませんが、算数や国語など、いわゆる「お勉強」を、子どもが意味を理解していない状態でやり方だけを覚えさせ、とにかく答えは出せるというようなさせ方で進めていくのは、ときに大きな悪影響を及ぼす可能性があるのかもしれないということを、多くの大人に心に留めておいて頂きたいなと思いました。

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