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2018年9月11日 (火)

見えないものは見えない

私は自分が中学生の頃、数学の立方体の切断の問題がとても苦手でした。
元々、展開図などの問題も決して得意ではありませんでしたので、空間図形全般に能力的に恵まれてはいないということではあるのですが、指定された点を通るように切ると、切断面はどんな形になるかという問題で、3点を決められたらその3点を結ぶ三角形、4点ならその4点を結ぶ四角形になるのでは?という発想しか、初めは出てきませんでした。

ですが、どうしてそうなるのか頭ではわからない分を、実際にものを使って切って確めてみるということを繰り返して、少しずつ想像できる範囲を広げてきました。ただ、残念ながら、今でも決して得意とは言えません。

今日のレッスンで、中学受験をする予定の子と、その類の問題をすることになりました。その子は「見える」子なのかもしれませんので、まずは問題を考えてみてもらったところ、数十年前の自分のように、示された3点をつないで三角形を描きました。(問題によっては三角形になる場合もありますが、その子が見ていた問題は五角形になるものでした。)

「気持ちはわかるわ。私も初めてこんな問題やったとき、おんなじことした!」とその子に伝えましたが、つまりその子も現時点では「見えていない」子ということのようだとわかりました。
そこで、立方体の形のメラミンスポンジ(激落ちくんのような白いスポンジ)とカッターナイフを用意して、まずは指定された3点をスポンジに書き込み、そのうち2点にカッターナイフの刃を当てた状態でその子に見てもらいました。

すると、先ほどまでは全く何もイメージできていなかった様子のその子の表情が変わり、「ああ、この辺通る?」と先ほどの自分の想像が違っていたことに気づいたようでした。
その後、ほかにどこを通りそうか、スポンジをまだ切らない段階で尋ねると、この辺とこの辺…とほぼ正しいあたりを指したので、「じゃあどんな形になりそう?」と尋ねると、「五角形?」と。

そう答えた後で実際に切ってみせて、自分の想像が正しかったことを確認してもらいました。
それをひとつ見せると、続いての問題は先ほどよりは明らかに考えられるようになっていて、たった一度具体的に見せるだけで確実に何かが変わるということも感じられました。

もちろん、複雑な問題になるとそれだけでは太刀打ちできないものも少なからずありますが、イメージできない子にとってはそんなものは到底解けるはずはないわけですから、まず基本的なものを経験として実際に見て蓄積することが大事なのは間違いないだろうと思います。

これに関しては、元々「見える」力を持って生まれている人達にはなかなか分かってもらえない部分だと思いますが、お子さんが立体図形に関して苦手そうだと感じた場合は、積極的に具体物を使って色々な物を見せてあげてほしいと思います。

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