今日はおひとり、体験レッスンをさせて頂きました。
事前に伺っていたお話だと、少し算数で苦戦しておられるところがあるようだったので、体験でいきなり「難しい!」と思われて、ますます算数がいやになっては困りますので、かなりおさらいの内容から準備させてもらっていました。
少し緊張しているのか、大人しく、何か尋ねると必要なことは答えてくれるものの、ずっと控えめな印象だったので、苦手意識があるのかな?と思いつつ進めていきましたが、やってみてもらおうと思っていたものを次々にクリア。それも、苦労しながらとか、自信なげにということもなく、むしろ、感心することすらあって、これがどのあたりで苦手になるんだろう?と思いつつ進めていきました。
掛け算で少し苦労していると伺っていたため、それより前から確かめていったものの特に困っている風もなかったので、そのまま何事もなく掛け算に進んでみましたが、やはりすんなり進んでいきます。
おかしいなぁ、どこで困っているのかな?と様子を見ていると、6×7の答えだけ、やや長い時間考え込んでいます。順番通りの出題ではなかったので、一旦それを後回しにしてもらい、ほかを解いてもらったところ、6×4や6×6、6×9など、7以外であればどれもすんなり答えが出てきているようです。
その後、ためしに6の段以降の暗唱を聞かせてもらったところ、7の段も7×6だけ詰まりました。
確かに暗唱のスピードは速くはなかったものの、その2つ以外は特に問題なく答えが出ており、その流れでためしに9×12や6×20なども尋ねてみたところ、紙に何かを書き出すでもなく、少し考えた後、どちらもきちんと正解しました。
これはどう見ても、6×7と7×6だけがなぜか難しく感じて記憶が曖昧で、その上、6×6がわかっているのであればそこから6増やせばいいだけなのに、(9×12がわかるということは考えられているということのはずなのに。)その発想にも至らぬままだったということなのではないかと。
6×7を覚えれば7×6は同じ答えなわけですから、その子はそのたった2つの式、42の答えがなかなか出てこないというだけで、苦手意識を持ってしまったということなのかもしれません。
小さい子達は何か小さなきっかけでも、それが得意になったり苦手になったりすることがあるような気がします。
もしかすると小さい子に限ったことではないかもしれません。実際自分を振り返ると、高校の修学旅行で生まれて初めてスキーをして、それまでどんなスポーツも人並みかそれ以上にはできていたのに、スキーで倒れて立ち上がる練習をグループでしたとき、一番最後まで立てなかったという経験は軽いトラウマになりました。それは初日のことだったので、その後一応滑れるようにもなり、立てるようにもなって、最終日の検定のようなものにもちゃんと合格したにも関わらず、私にとってはスキーはとても苦手で人よりできないから二度としたくないものになりました。(実際、それ以来一度もしていません。)
それを思うと、やはり最初の取っ掛かりというのはとてもとても大事なのだろうと思います。
子ども達には、この子ならこのぐらいできるはずと判断して問題を選んでいますが、その子にとっての適度な難易度の問題を常にうまく提示するのはやはりかなり難しいことで、時々辛そうな顔を見せられることがあります。
そういう表情を見せられることを少しでも減らせるよう、日々努力を続けていこうと思っています。
最近のコメント