目の付け所
春頃から、中学受験塾と並行してうちにも来てくれることになった子が2人いるのですが、その子達に取り組んでもらうものを事前に自分で解いていると、改めて、中学入試の算数の問題はひたすらに教わったやり方を覚えこんで、それに当てはめて解こうとする子達にとっては、本当に苦行だろうなと感じます。
私は公立中学に進学したので、中学入試の算数の問題に触れたことは大人になるまでなかったのですが、初めて見たときには本当に驚きました。
公立の子であれば、中学の3年間で習うことの多くを受験算数で理解しておかねばならないということを知ったからです。
現に、受験をする6年の子達は、合同や相似などは、証明問題などは別として公立中学の子が解く問題集を解かせたら、ほとんど解くことができるだろうと思います。(もちろん、習ったことが理解できておらず、解けないという子はいると思いますが。)
こうなってくると、テクニックを覚えこんで対処するのには限界があるだろうと思います。
そもそも、国語や理科、社会などもやらねばならない子がほとんどですから、暗記せねばならないことがほかにたくさんあり、算数まで暗記して使いこなせるようにするとなると、その負担は想像を絶するものがあるだろうと思います。
計算などはある程度基本は覚えておく必要がありますが(例えば、円の面積の公式などは忘れてしまうと自分で導き出すことはほぼ無理だろうと思いますし。)、暗記するのは本当に最低限にとどめ、後は考えるようにしたほうが、結果的にはストレスも少なく、応用もきく場合が多いのではないかと思います。(暗記がとても好きな子などは話は別ですが。)
そして、高学年になってから、問題のどこに目をつけたら簡単になるか、どう見たら解けそうかということに気づけるようになるには、持って生まれた能力によるところも少なからずあるとは思いますが、やはり小さい頃から自ら考え、試行錯誤し、時には適切なアドバイスなどをもらって、どこに目をつけたらいいか、何から手を付けたらいいかなどを学んでいくことが大事なのではないかと思います。
図形の問題などでは、習った通りの方法で解かなくても、目の付け所によってあっさり解けてしまうようなこともあります。そういうことに気づければ、すっきり短時間で問題を解くことができるので、ミスも少なく、ほかの問題を解く余裕ができたりもするのではないかと思います。
そして、その力を育むには、小さいうちがとても大事になってくるのではないかと思っています。
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