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2017年9月 6日 (水)

説明できるかどうか

これまで一緒にレッスンをしてきた中で、間違いなく賢いし、能力も十分あると思うのに、このところ以前に比べてじっくり考える様子があまり見られなくなってきたように感じる子がいます。
それは少し前から気になっていて、本人にも何度となく声掛けをしたりもしているのですが、どうしてなのか、何をしているのかを考えるのではなく、どうやれば解けるんだったかのやり方を思い出そうとしている印象を受けることがしばしばあります。

その子とは前回からわり算の学習をしているのですが、今日の問題の中に「0÷6」という問題が出てきました。
それを見てその子は「え?0÷6って?」と言ったので、「0÷6ってどういう意味?」と尋ねると、なぜだか「6÷0?」と言うのです。そこで、プリントの1問目、既にその子が解いた問題を指して、「じゃあ、16÷4ってどういうこと?」と尋ねると、「16を4で割るってこと。」と答えました。「割るってどういうこと?16ってものを4っていう何かでガンガン叩いて割るの?」とわざと意地悪に尋ねると、「え…。」と黙り込みます。

ですが、わり算の学習の導入の際、ニンジンや飴などの絵がたくさん描かれているものを、3人で分けたり、5個ずつ分けたりということをして、掛け算と割り算の関係や割り算というのはどうやって考えればよいのかの学習をしているので、「分ける」という言葉はそれまでにも出てきていますし、そういう流れで来ると、割り算と言えば分けることという意識は自然とできていることが多いのです。

どう説明したらいいのかわからないのかもしれないなと思い、「じゃあ、1+2ってどういうこと?」と尋ねると、これまた「1と2を足すこと」と答えたので、「足すってどういうこと?」と更に尋ね、それはなんとか1と2を合わせることというような説明をすることができたので、「じゃあ5×3ってどういうこと?5に3をかけるって言わないでね。」と言うと、少し考え込んでいましたが、「5が3回ってこと。」と、掛け算を知らない子でも意味がわかるような説明ができました。

そこでもう一度割り算のことを尋ねたのですが、説明が難しそうだったので、「じゃあ、この16はクッキーが16個だとして説明してみて。」と言うと「16個のクッキーを4人で分ける。」とやっと「分ける」と言ってくれたので、「そうやね。4人で分けるか4個ずつ分けるか、分け方は2通りあるけど、割り算は分ける計算よね?」と確認をしてから、「じゃあ0÷6ってどういうこと?」と尋ねると、「0個のクッキーを6人で分ける。」と言ってくれました。

「じゃあわかるよね?」と言うと、少し不安そうではありましたが、「答え0?」と言ったので、「そう。クッキー1つもないんだから、6人でわけても1つもないよね。」と言って、その問題を終えました。

たった1問、それも0を割る計算なので、「0を割っても答えは0よ」と言えば、数秒で終わる話だろうと思います。
その方が子どもも楽かもしれませんし、0を割ったら0なんだなと覚えておしまいになるでしょう。
でも、例えば、覚えただけの子は0で割る計算でも、0が出てきたら答えは0だということで答えてしまうかもしれません。その一方で、割り算の意味を考える子は、例えばクッキーの説明で言えば、0人で分けるとか0個ずつ分けるとかいうことになりますから、「0人で分ける?」と疑問を持つことができる、もしくは、更に進んで、「そんなことできない」と気づくかもしれません。

たとえ回りくどいように見えても、それが大事な場合もあるのではないかと思っていますので、特に低学年のお子さんに対しては「なんで?」「どうして?」と尋ねるのが半ば口癖になっています。

家庭学習などの際、お子さんが不安そうに解いていたり、答えが合ったり間違ったりと不安定だったりするようなときには、自分がどういう問題を考えているのか、何をしているのかが説明できるかどうかも大事なポイントなのではないかなと思います。

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