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2017年9月11日 (月)

記憶力か思考力か

これまで、学校や多くの塾での勉強といえば、教えられたことを繰り返し反復して覚え、それを再現できるようにするということに重きが置かれてきたのではないかと思います。
教科によってやその子の年齢、状況によっては、その方法がいい場合もあるだろうと思いますが、これだけ「調べること」が容易くなった時代に、今後ますます重視されていくのは、知識量ではなく、調べて簡単にわかるようなことではないものを考えて解決していく力なのではないかと思います。

例えば、一昔前なら、知らないことを調べようと思えば、知っている人に聞く、本や新聞などで調べるというのが一般的だっただろうと思います。しかし、身近な人に聞いても知っている人がいなければ、知っている人を探さなければなりませんでしたし、本や新聞といっても、自分の知りたいことが書かれているものがどれなのかすぐに見つけられるとは限りませんでした。
そんな時代にはたくさんの知識を蓄えていて、それをすぐに引き出せる能力は高く評価されていたのだろうと思います。例えば日本の都道府県を全部暗記し、どこにどの都道府県があるかが言える。それぞれの県庁所在地なども全部言える。そういう子がいれば、尊敬されていただろうと思いますが、今なら、例えばスマホでさえ「日本地図」や「日本の都道府県」などと入れて検索すれば、すぐに地図を見ることも、県庁所在地を調べることもできるわけです。

算数や数学の公式や定理なども、公式名などがわかれば覚えていなくてもすぐ探せるでしょうし、公式名を忘れていたとしても、何を解くための公式なのかわかっていれば、それをキーワードにして検索すれば恐らく簡単に見つけられるだろうと思います。
これからますます、どれだけのことを覚えているかということの評価は下がっていくのではないでしょうか。

しかし、以前何かの記事で読みましたが、簡単に検索できる環境になったとはいえ、例えば「数学 公式」などと入れただけでは、それはもう膨大な数の情報が見つかるでしょう。自分が知りたいものに対して、的確な検索キーワードをあげることができる力がなければ、いつまで経っても知りたい答えには辿り着かないかもしれません。更に、公式などであれば間違った情報が出ている可能性は比較的低いだろうと思いますが、膨大な情報の中で、何が正しいのかを判断する力も必要になってきます。
調べる内容が簡単であれば、検索するのも簡単な一方、調べる内容が難しくなればなるほど、「検索するための力」が必要になってくるだろうと思います。
それはやはり考える力に他ならないだろうと思います。

絶対に覚えるべきこと、覚えた方が日々の暮らしの中で明らかに便利だったり楽だったりすることはもちろん覚えたらいいと思いますし、何も覚えなくていいなんてことはもちろん思っていませんが、算数や数学に関しては、覚えるべきことより考えるべきことの方が圧倒的に多いのではないかなと感じています。

今日は高校生の子の振替レッスンがあったのですが、記憶力の衰えが激しい私は、高校数学を一緒にする機会が限られていることもあって、公式などはすぐに忘れてしまいます。
最近も、予習をしていて、三角比で、「90°-θ」や「180°-θ」などで置き換えて考えるんだろうなという問題があったのですが、どのときがマイナスがつくとか、どのときはサインがコサインに変わるとか、ぱっとは思い出せませんでした。予習ですから、そういうときに参考書などを見て再確認することはもちろん簡単なわけですし、見れば当てはめるだけですから、当然解けるわけです。でも、それだと忘れたら解けないということになります。
ですから、まずは必ず自分が知っていることだけで解くことができないかを考えるようにしていて、今回も自分が理解している単位円を描き、そこに直角三角形を描いて、どの場合と度の場合が同じになるのか考えた後、確認の意味で参考書を見たら合っていましたので、これなら覚えていなくても解けると判断し、子どもにも覚えられたら覚えた方が速いけど、忘れても考えたら解けるということを伝えるようにします。

今後ますます、ただ覚えただけの知識の蓄積はあまり役に立たなくなっていくのではないかと思います。
自分で考えて理解したことの蓄積が本当の力になっていくのではないでしょうか。

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