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2017年8月16日 (水)

「やり方教えてもらった」

子ども達とレッスンをしていると、時々耳にする言葉が「やり方教えてもらった」というものです。
教室でのレッスンでは、基本的に「やり方」を教えることはないので、子どもがそれをいう場合はほとんどが学校の先生やおうちの方からで、時にはおじいちゃんやおばあちゃん、年長の兄弟などからということもあります。

私がとても気になるのは、子どもがこの言葉を口にするとき、ほぼ100%に近いのではと思うぐらいの確率で、意味を理解していない、意味を考えるところまで至っていないということです。

勉強に限らず、やり方を教えてその通りに真似させるというようなことは、子どもが成長していく中で恐らく数えきれないぐらいあるのだろうと思います。
例えばお箸の持ち方や鉛筆の持ち方などは、親の持ち方を見て真似させるというようなご家庭もあるかもしれませんが、やはり誰かが子どもに教える場合が多いのだろうと思いますし、数字や平仮名などはとにかく丸覚えするしかないようなものですから(約束事なので、意味を考えようにも無理だったり、年齢的にまだその数字や文字ができた背景などを教えることが難しかったりしますので。)それはそれでいいのだろうと思います。

ですが、意味を考えたらわかるものまでも、考えずに覚えさせることは、長い目で見るとマイナスになってしまう場合があるように思います。

教室を始めた頃、まだ2年生になったばかりなのに、そろばんで段を持っている子がいました。私はそろばんを習ったことがないので詳しくはわからないのですが、その子はその時点ですでに桁数の多い掛け算や割り算もいとも容易く解いていましたし、消費税計算などまで計算の仕方を教えてもらってできるようになっていたようです。
2年生にしてそこまでできるということは、恐らくかなりの才能を持っていたのだろうと思うのですが、小さい頃からそろばんの珠ばかりを見てきたからか、小学校1、2年でするような基本的なレベルの文章問題さえ間違うことが多々ありました。
絵を描いてもらおうとしても描けず、問題を読んでも何の計算をしたらいいのかわからないのです。

その子は、それが何算かを教えてもらえば、相当面倒な計算でもかなりの速さで解いてしまえる能力はありましたが、少しでも考える必要がある問題になると全く別人のようになってしまう。やり方を教え続けたひとつの結果なのだろうと感じました。

別の子は年中の頃から小4になるまでずっとプリント反復の教室で計算をがんばっていたのに、小4の個別懇談で算数ができないと言われたそうです。驚いた保護者の方がその子と一緒に来られ、問題をやってみてもらったところ、やはりただの計算問題はすごい勢いで解くものの、文章問題になると完全にストップ。点つなぎや図形の模写なども惨憺たる状態でした。

そういう、単純計算だけはとても自信を持っているようなお子さんには過去何人も出会いましたが、その状態になってしまってから、問題をじっくり考えられるようになるにはとてもとても苦労することが多かった記憶があります。

お子さんが苦労していたり、困っていたりするのを見ると、放っておけなくて、助ける意味でやり方を教えられることもあるだろうと思います。ただ、もしそうであれば、その際になぜそれで解けるのか、意味がわかっているかどうかを尋ねて頂くとか、教える前にまず子どもに考えさせてみて、その後で教えるとか、子どもが自分自身の頭で考える機会を作ってあげるようにすると、子どもにとってよりよい学びになるのではないかと思います。

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