もどかしい。
今日は土曜お休みだった子の振替で出勤していました。
小学生の頃来てくれていて、この春高校生になった、結構しっかり考えられるタイプの子なのですが、進学校の高校なので、予想通り授業のペースが速く、その上、一斉指導ですから、恐らく先生が説明をして演習をさせるというのがメインになっているのではないかと思います。
高校に入ってから毎週来てくれているわけではなく、入学前に何度かスポットで来て、中間試験前にもまた来て…という感じだったので、春休みの貯金はあっという間になくなり、既に学校が先に行ってしまっていました。
習ったというところをどれだけ理解しているか、まずは問題を解いてみてもらうことにしたところ、用語であったり、答え方であったりが色々あやしい状態で、おまけに違うと言われたら、どうやるんだったかなとやり方を教科書などで見ようとするような場面も。
やり方を見て解くなんてことを私がOKするはずもないのに、授業の進度が速かったり、中学時代の塾でも一斉指導を受けたりと、じっくり考えて解く機会が減ってしまっているその子は、私の目の前でも解き方を思い出そうとすることがあるわけです。
もちろん、私自身が高校生だった頃には、その子より遥かに意味も理解せず、ただ公式などを覚え、解き方を覚え…という感じで数学を乗り切っていたのが事実です。
ですが、今になって問題の意味を考えると、な~んだ、そういうことだったのか!と思うことも少なくなく、高校数学でさえも覚える必要のあることは思っていたより限られているんだなと、感じられるようになりました。
意味を考えずに覚えたものは、記憶があやしくても、こんな感じやったよなというふうに曖昧なまま使って間違うということがしばしばあります。
なぜそれで解けるのか、何を解いているのかを意識するかしないかの違いは本当に大きいのです。
曖昧な理解のままペースだけを上げられると、自信を持って解けない。試験などで結果が出づらい。忘れないよう反復が必要になり、そういう勉強は大抵ちっとも面白さを感じられない。その結果、好きだった数学が嫌いになっていくというようなことが起こってくるように思います。
その子の場合はある程度「地頭」があるので、時々でもここに来て自分の頭で考えることをしていれば、多少はマシかもしれませんが、進学校と言われるような学校では、ほとんどの子が平均以上の学力を持っているはずですから、授業のやり方を変えることで指導する側も生徒たちももっと楽しく身につけられるのではないかなぁと思うとなんとももどかしい気持ちになります。
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