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2017年6月28日 (水)

つながる・つながらない

今日のレッスンでの1場面。
まだ3年生の子ですが、2桁の数で割る割り算なども既に学習が済んで、割り算の筆算も随分しっかりできるようになり、四則混合計算などもがんばった後、今日は割り算の割と手強い文章題にも取り組んでもらうことになりました。

その子の場合は、割り算をするのだということには迷いはなかったようで、すぐに式を書き、計算もできたのですが、そこで答えを間違いました。
1問目は先日別の子も解いていた、812人の子どもを6人掛けの椅子に座らせると椅子がいくついるかというもので、割り算の答えは135あまり2ときちんと出せたのですが、答えに「135きゃく」と書きました。
そこで「それでみんな座れる?」と聞いたのですが、どうもぴんとこない様子。「じゃあ、そのあまりの2っていうのは何の数?」と尋ねると「人が2人。」と答えられたので、「そうよね?」と言ってもまだ「あ!」と言ってくれません。
「じゃあ、もし10人を6人ずつ座らせたら、椅子はいくついる?」と聞くと、すぐに「2つ」と答えるものの、やはりまだ「あ!」とはいきません。

そこで、一旦その問題をそこで保留にして、次の問題を解いてみてもらいました。
1日90円ずつ貯金をしたら10000円以上になるのに何日かかるかというもので、それもやはり迷わず割り算をして、111あまり10という答えも出せました。
しかし、またそこで困っています。「1万円ぴったりにはならないよ?」と一応声をかけてみたものの、まだつながらない様子だったので、「90円を111回ためたらいくらになる?」と聞いたところ、少し考えて「9990円」ときちんと答えられました。しかし、なぜかやはり「あ!」とはなりません。
その後あと2度ほどやり取りをしたものの、やはりつながらず。

再びそこで保留にして、3問目へ。
1分に55m歩く子が1210m先の公園まで行くのに何分かかるかという問題。
こちらは余りが出ません。そして、計算をして22という答えも出せました。しかしなぜか答えが書けません。

あれれれれ??これはさすがにどこかにはまり込んでおかしくなっているのかな?違う問題でリフレッシュしたほうがいいかな?とちょっと迷いましたが、1分でどれだけ歩けるか、2分なら、5分なら、10分なら…と尋ねていき、20分で1100mというところまで来ました。これでいけるかな?と思ったのですが、今日はどうにもぴんと来ない様子。

そこで紙に短い線を描いて、その線の上下に「1分 55m」と描いてから、長い線を描いて、1210mと描きました。どこで詰まっているのかわからなかったので、その子が書いている式と答えは1210mを55mずつ区切っていったら22回分になるという意味だとわかっているかどうかを確認すると、それはわかっているようです。
そこで長い線を22に区切り、区切りを1つずつ差しながら、「ここまでで何分?」「1分」、「ここまでは?」「2分」と順に尋ね、ようやく22分という答えの意味がわかったようでした。

その後逆に戻っていったところ、「111日目に9990円貯まってるのよね?」と言ったら、ハッとして答えに「112日間」と書き、「じゃあもし子どもが810人だったら椅子がいくついるかはわかる?」と尋ねるとそれは迷わず「135きゃく」と答えられたので、「そうよね?でも、みんな座ったと思ったら、後から2人来たら812人で、その2人はまだ座ってないよね?」と言うと、これもまたハッとして「136きゃく」と答えることができました。

たまたま何かおかしなスイッチが入ってしまっていただけという可能性はありますが、このように、本人がぴんと来ていないのに、余りの分1増やせばいいのだというようなことを教え、無理矢理正解に辿り着かせても、子どもはもやっとしたままになるだろうと思います。

子どもによっても、その日のコンディションによっても、イメージできることとできないこと、ピンとくることとこないことがありますので、その日その時にその子の表情を見ながら、助け過ぎず、かといってほったらかし過ぎず、声をかけるというのは、何年やってもこれでバッチリ!とはいかないものです。

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