感覚があるかどうかは大きな差になることもある
子ども達とレッスンをしていると、ワークブックなどの問題を見て、なんて簡単な問題!と思うことがよくあります。
もちろん、基本問題などの話ですが、例えば今日のレッスンでは6年生の子が速さに関する問題を解いていて、10秒で12mの速さで歩くと25分かかる距離を自転車で8分20秒かかった場合の自転車の分速を求める問題で、8分20秒を見たときに、3倍したら25分になるなと気づけば、かかる時間が3分の1になるということで、スピードは速くなるから3倍だなと。更に10秒で12mというのも、感覚が身についている子なら1分はその6倍だなと気づけることが多いので、そうなると、この問題は「12×6×3=216」で解けてしまいます。
しかし、仮にこれを学校などで一般的に習う方法で解くとすれば、まず10秒で12mだから1秒に12÷10=1.2。
1分だとその60倍だから、1.2×60=72。
分速72mで25分かかるから、72×25=1800。
1800mの距離を8分20秒かかるから、8分20秒は8と3分の1分なので、1800÷8と1/3=1800÷25/3=1800×3/25=216。
これだけの手順を踏む必要があります。(1秒あたりで求めたら、それを更に分速に直さなくてはならないので、式が更に増えます。)
また、5km進むのに50分かかる人の時速という問題は5kmで50分から1km10分だから、1時間はその6倍で時速60km。感覚がある子は、式すら書かなくても解けてしまうかもしれません。
しかし、これも感覚が伴なっていない、もしくはやり方を習って覚えて処理しているだけの子などは5kmを50分で割って分速を出し、それを60倍するか、50分を5/6時間に直して5÷5/6をするかだろうと思います。(感覚が伴なっていない子であれば、5/6もまずは50/60と書き、それが10で約分できるとパッと気づけばまだしも、実は結構まず2で約分して、更に5で約分、もしくはその逆というように2段階で約分する子も珍しくないかと思います。)
更に言えば、処理をしているだけの子は、分数の割り算も習ったことを再現していることが多いので、5÷5/6と書いた後、5×6/5と式を書き直してから答えを出すこともあるように思います。
時速30kmで70km進むのにかかる時間はという問題であれば、やはり感覚がある子は2時間で60km。あと10km進みには1/3時間だから2時間20分と、問題を読んだら式も書かずに解ける子もいるでしょう。
このように、感覚が伴なっているかどうか、イメージできるかどうか、図が描けるかどうか、そういう力は応用問題などを考える際、大きな差を生む場合が少なくありません。
そして、そういう力を養うのには、まだ脳も成長途上であり、時間にも余裕のある小学校低学年までの間がベストなのではないかと思います。
小さいうちにじっくり時間をかけることで学年が上がって時間が短縮できる、スピードアップできるというのは、こういうところが大きいのだろうと思っています。
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