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2017年6月20日 (火)

「簡単なやり方」

子ども達とレッスンをしていると、時々子どもの口から「簡単なやりかた教えてもらった」とか「簡単にできる仕方知ってる」とかいうような言葉が出ることがあります。

教室では一人ひとりのペースを見ながら、無理がなければ学校の授業の進度などに合わせることはせず、どんどん先に進んでいくので、時には子どもにとってとても面倒なこと、時間がかかることをしてもらうときがあります。

例えば、まだ学校で九九を習っていない上に、教室では九九の暗唱はさせない。でもかけ算は考えたらできるという段階の子が2桁×1桁や3桁×1桁のかけ算を経て、2桁×2桁のかけ算を、まずは筆算のテクニックとしてではなく、足したり倍にしたり、のけたり、色々な方法を考えて解いてみてもらうことがあります。

九九を覚えていない状態でそれをするのは確かにとても面倒ですし、それをした後でいずれ筆算で解いてもらうのですが、2桁×2桁は大人でも何問もするのは面倒で、あまりやりたくないと思う方も少なくないでしょうし(私はできればあまりしたくないですし…。)お子さんが嫌がっていたら、筆算を教えて、こうやって計算したら答えが出るよと助け船を出してくださるというようなことがあるようです。

その際、どうしてそれで答えが出せるのかをお子さんが理解していればもちろんそれでも構わないのですが、上述のように「こうやったらできるらしい」というような感じで計算する子の多くは、位をずらして書くことを忘れていたり、どうしてその計算で答えが出るのかは説明できなかったりというようなことがあります。
やり方は習ったけど、意味は理解していないという状態です。

そして、その状態で答えが出せても、子どもは達成感や満足感を得ることは恐らくありませんし、多くの場合頭にも残りづらいものです。

たとえ面倒でも自分であれこれ考えて答えを出す。面倒だと何か工夫できないかなと感じる子もいるでしょうし、そう感じているときに「こんな方法もあるよ」などと工夫の仕方や考え方を言えば、興味を持って聞くかもしれません。
また、苦労して考えているうちに10回(10倍)だと一の位は必ず0になることに気づくかもしれませんし、だから筆算をしたときの下の段は一の位の0を書かない分ずれるんだなと理解できるかもしれません。

もちろん、苦労したことが後にうまくつながらない場合もあるかもしれませんが、自分で考えるより先にテクニックを教えるというのは、子どもの力にならないことが多いということを知っておいて頂けたらなと思います。

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