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2017年6月 7日 (水)

ライブじゃないとできないこと

少し前までは高校生や予備校生、大人などを対象にした衛星授業やDVDによる授業が広がりを見せていましたが、最近ではその流れがどんどん中学生、小学生へと広がってきているようですね。
タブレットなどをつかっての映像授業などを取り入れている学校や塾、通信教育もどんどん増え続けているように思います。
うまく利用すれば手軽に安価で成果を得られるという面もあるのだと思いますが、個人的には少なくとも「児童」と言われる間ぐらいまでの子には、目の前で見てくれる人がいる状態とは大きな差があるだろうと思っています。

もちろん、目の前で見てくれる人がいる状態で、必要な部分だけ動画などを使うというのはいいのではと思います。例えば、実際に目の前でやってみせるには準備などが大変だとか、なかなかうまくできないとかいうものを映像で見せることによって、印象に残りやすくなるということはあるだろうと思います。

教室でも、中学生が球の体積の公式を学習するときなどには、インターネットで公開されている動画を探し、円柱と球の体積を押しのける水の量で見せている動画などを見せ、どうすれば球の体積が求められるか考えてもらうようなことをすることもあります。
これは、ただ公式として覚えると印象に残りづらいものの、球と、その球の直径と同じ直径、高さの円柱を用意し、水を入れて目の前で実際にやってみせるとなると(過去に球や円柱上の容器などを探したこともあるのですが)なかなか大変ですので、そういう部分は動画を使わせてもらったりしています。
ただ機械的に覚えなさいということは極力しないのが教室の方針ですので、確かめられることは極力確かめるようにしており、それが難しい場合に動画が利用できるようならするというスタンスです。

ですが、ただ見ただけのものはやはり忘れやすいです。わかったような気になっても、受け身で見ているものは定着しづらいだろうと思います。
また、子ども自身が学習内容に興味を持ってワクワクしながら取り組むのであれば効果も上がりやすいかもしれませんが、そうでない場合は、その子の表情変化などを見て、理解しているかどうか、助けは必要でないかどうかなど気を配る人が必要だろうと思います。

教室でのレッスンは完全個別対応なので、例えばある単元のレッスンを動画にとったとして、その単元を学習する子みんなに使えるかといえば、少なくともうちの教室では無理だろうと思います。もちろん、一部使えるとか、ぴったりではないけどまあ使えるとか、そういうレベルでなら使いまわしもできるかもしれませんが、その子にベストか、ベストとまで言えなくても、今私ができる最善かという見方をすれば、やはりひとりにしか使えないのです。

成長途上にある子ども達にはライブでなければできないこと、伝わらないことというのが、少なからずあるような気がします。

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