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2017年5月19日 (金)

当たり前だと思っていること

この仕事をし始めてから、それまで当たり前だと思っていたり、特に疑問を抱くこともなかったようなことが、実は人によっては理解しづらかったり、そう言われてみればなんでそういう風に言うんだろう?と思うようなことがあったりするんだなと感じるようになりました。

そのひとつが、繰り下がりのひき算をするときに、小学校などで当たり前に使う「10借りてくる」という表現です。
教室で子ども達と繰り下がりのひき算をするときには、わざわざ10と残りを分けるのではない考え方をするので、私自身が「10借りてくる」という表現を使うことはないのですが、以前何かで読んで、ああ、そう言えばそうだなと思ったことがあります。

投書か何かだったかと思いますが、繰り下がりの引き算がどうしても理解できない様子の女の子がいて、色々手を尽くして教えても、なぜか繰り下げたはずの数が戻ってしまって正しい答えが出せず、本人も困っていたと。そして、どうして繰り下げたものをまた戻すのかを尋ねたところ、「借りたものは返さなくてはいけないでしょ?」というような答えが返ってきたのだそうです。

これ、目から鱗じゃないですか?そうだ、確かに借りたものは返さなくちゃいけないのに、なぜ繰り下がりの指導のときには当たり前のように上の位から10を「借りて」くると言うのだろうと、それを読んで初めて疑問を抱きました。
自分が子どもの頃にも同じように指導されたのではないかと思いますし、子どもの頃には特にそこにひっかかることもなかったので、なんとなくそのまま、そういうものだと思っていましたが、10は借りてくるのではなく、もらってくるのですよね、実際は。

子どもは「借りたものは返す」ということはしっかり身に着けるべきでしょうし、それなのに算数では借りたら借りっぱなしになるのは、なんだかおかしい気がしますから、その女の子がそこに引っかかってひき算で苦戦をしたという、その感性がなんだか素敵だなと思いました。その一方で、なぜ「借りる」という表現にしているのかが新たなる疑問になりました。

このことに限らず、大人は何となくそんなものだと思っていることでも、子どもによっては引っかかるということも珍しくはないので、大人が見たら簡単だと思えるもので子どもが困っているような場合、予想外のポイントで詰まっている可能性があるということを少し気に留めておいて頂くと、何かの役に立つことがあるかもしれません。

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