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2017年5月 2日 (火)

ただ覚えたのと理解しているのの違い

できることと理解していることとは違うことなのだということを、うまく伝えきれないときがありますが、とても簡単なわかりやすい例を思いつきました。

今日のレッスンである子がかけ算の学習をしていた時のこと。教室では九九の暗記はさせず、かけ算というのがどういう計算なのかを理解してもらった上で、足したり、倍にしたり、10回分から1回分をのけたりと、色々考えて答えを出すという形で学習を進めます。
ひと通り考えて解けるようになった後で、九九の唱え方もサラッとやりますが、学校で暗唱させられるまでは覚えなくてもいいことにしています。(本人が困らなければ、学校での暗唱もしなくていいかもしれませんし。)

で、考えることが好きな2年生さんが、あれこれ考えながら順調に問題を解いていっていたのですが、比較的新人さんで、既に学校で習ったこともかなりミスがあり、習ったやり方を覚えてその通りにしようとしているため、実際に自分が何をしているのかよくわかっていない子が、その子はそのときまだかけ算の学習を一緒にしていないにも関わらず、九九を唱えられることを自慢したかったのか、突然「ごいちがご、ごにじゅう…」と九九を唱え始めました。

レッスン中で、九九を唱え始めた子は別のその子の課題をやっている途中だったこともあり、遮って問題に取り組むよう言っただけでしたが、あのとき、両方の子に言ってみたらよかったなと、後で少し後悔しました。

考えながら解いている子に、まだ全く一緒にやったことがない2けた×1けたや3けた×1けたの問題を出したとしたら、その子はかけ算はどういうことかを理解していますから、めんどくさいとかぶつぶつ言うことはあるかもしれませんが、答えを出すこと自体は問題なくできたはずです。(実際、これまでの子達も、ほとんどみんなが何も説明しなくても、順番に足したりしながら答えを出すことはできました。)

でも、九九を暗唱できるというその子は恐らく、「まだ習ってないからできない」というような反応をしていたのではないかと思います。(そして、そういうことをいう子は、世間ではそう珍しくないようでもあります。)

意味を理解することなく、表面的なテクニックを覚えた子はなかなか応用が利きませんから、新しいことを習うたび覚えなくてはいけないことが出てきます。習うことが増えれば増えるほど覚えることも増えますし、そのうち覚えきれなくなったり、記憶が曖昧になってミスが多発するようになったりもします。

でも、例えば、かけ算がどういう計算なのかを理解している子は、1桁同士であろうと、桁が増えようと、考えることはできます。その状態で、桁が増えた場合はひとつひとつ足していったりすると時間もかかるし、ミスする可能性も増えるしということで、筆算などの方法を教えるわけですが、数をきちんと理解している子達にとっては、かける数が1桁であれば、掛けられる数が2桁でも3桁でもそれより多くても、筆算を書くより暗算の方が楽に感じる子もいます。
実際、かけ算の意味が分かっている子達は、分数の学習をして、3分の1kgのりんごが3つあったら何kgになるかという問題を、式を書かなくてもいいよと言っても、当たり前のように「 1/3×3=1 」のような式を書くのです。

算数では、意味をきちんと理解していれば、覚えることはかなり減らせます。覚える必要がないので、忘れたからできないということもかなり減ることになります。

最初にじっくり時間をかけて考えさせる、理解させる、それが大事だと言っているのは、結局そうした方が学年が上がれば上がるほど、やり方を覚えた子に比べて楽になっていくからということも大きいです。

小さいうちはとにかく、意味がわからないのに「処理」はできるという状態で算数を進めることは、恐らくお子さんのためになりませんので、ひとりでも多くの親御さんに知っていて頂けたらなと思います。

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