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2017年4月17日 (月)

答えのない問題

子ども達とレッスンをしていて、時々どうすること、どうしてあげることが正解なのかわからなくなることがあります。

うちの教室では子どもたち自身が考え、気づき、学び取っていくということを目指しているので、やり方を説明してその通りにさせるようなことはしませんが、教室を始めてからこれまでに記憶にあり限りでは2人、どうしてもそれが伝わらず、どれだけ話をしてもやり方を教えてと言い続け、それならそういう塾や教室はたくさんあるから我慢してここに来なくてもいいんだよというような話もし、おうちの方にもお話をし…ということをした子がいます。

ただ、そういう場合は、こちらの考えをきちんと伝えた上で、それでもお子さんがやり方を教わって覚えてその通りにしたいということなら、別の教室などを選ぶという方法があるので、一応答えのようなものは見つけられなくはありません。(長くなるので端折りますが、やり方を教える、わかりやすく説明するということを、教室を始める前の私はしていましたが、それが子ども達の力を奪っていたと知って、もう二度とそんなことはしたくないと思ったので、今はもうしていません。)

ですが、ここ最近また、何がいいのかまだ自分なりの答えが見つからないことにぶつかっています。
人の「常識」や「正しい・間違っている」の基準などは、実はかなり曖昧で、自分にとっての常識は誰かにとっては非常識だったりすることもあるのだろうと思いますし、誰かにとって良いことは別の誰かにとっては悪いことということだっていくらでもあるだろうと思います。

それを、例えば学校などで子ども達は何となくある「常識」や「基準」に基づいたルールを守るよう言われたり、みんなと同じようにすることを求められたりするわけで、それに馴染めない、ある面で少数派になるような子などが学校に行かなくなったり、行けなくなったり、行っていても居場所がないように感じたりするようなこともあるのだろうと思います。

先日、教室のトイレのタオルハンガーの吸盤が外れて手を洗うところにタオルごと落ちていたことがありました。
落ちていたと言っても、手を洗うところでもあり、そこに水が溜まっていたわけでもないのですが、たまたまそのタイミングでトイレに行った子が「先生、トイレがたいへんなことになってる!」というので、何事かと思って見に行くとその状態でした。「ああ、取れて落ちちゃったのね。」と言って、吸盤をつけ直していると、本当に汚いものを見るような表情で「そのタオル汚い。」と言いました。
トイレの床に落ちていたら、さすがに汚いと思う子も多いだろうと思いますが、手を洗うところに落ちたタオルにそこまでの反応をするのは、かなり潔癖な子なんだなと思いながら、新しいタオルと交換して「これで大丈夫?」と言うと、うなずいたので、私はトイレを出ました。

小さな例ですが、外れて落ちたタオルに対して、落ちた時点で汚いと感じる人もいれば、落ちた場所によってはセーフな人、床に落ちても土足の床でなければきれいだと思う人、土足の床でも気にしない人と、恐らく色々な人がいるだろうと思います。
汚いと感じるものを「きれいでしょ?」と言っても、それは感じ方ですから、外から変えることはなかなか難しいだろうと思います。
そういう意味では潔癖であればあるほど、普段の生活の中で不快に感じることが多いということかもしれませんし、そういうことが気にならない人ほど、穏やかに過ごせるのかもしれません。
でも、この場合、どの基準の人が正しくてどの基準の人が間違っているかなんてことは判断のしようもありませんし、仮に学校などではその基準を先生などが決めて、それを子ども達に守らせたりすることになるのかもしれません。

勉強の面でも、こだわりが強く、自分のやり方以外を受け入れるのが苦手な子は学校など集団で学習する際には、子どもにとっても先生にとってもお互い快適な授業というのはなかなか難しいのかもしれないなと。
困っていそうだからやり方を教えたり、何か手助けをしようとしても、本人が聞き入れようとしなければ、指導する側は何がしてあげられるのか、でも、手助けをしなければそこから先に進めないのであれば、その子自身がどこかで折り合いをつけて、人の言うことを聞く努力をすべきなのかもしれませんが、本当にそうすることがその子にとって正しく、幸せなのかとなると私にはそれがわからなくなるのです。

特に相手がまだ小さい子どもだと、変われるものなら変わった方がこの先の長い学校生活で苦労が少しでも減るのではないかなと思ったりする一方で、今の世の中では学校教育のシステムに馴染めなかった子達の中に天才と言われるような子やなかなか人が思いつかないようなアイデアを思いつくような子がいたりするのも事実ですから、無理に学校などの集団に馴染ませようとする必要があるのかどうかもわからないのです。

もちろん、答えのない問題なんていうのは生きていればいくらでも直面するのだと思いますし、わからないなりに考えていくしかないのだろうと思いますが、その子にとって一番いいのは何なのか、その判断ができないのはなかなか悩ましいです。

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