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2017年3月24日 (金)

「できる」と「わかる」の違い

これまでにも何度も同じようなことを書いていますが、「できる」と「わかる」は違うということを、もしかするとうまく伝えられていないのかもと思い、また書かせて頂くことにしました。

先日のレッスンで、1年生さんが100までの繰り下がりのある引き算を考えていました。
その子は現時点ではまだあまり算数が得意ではなく、20までの引き算もぱぱっと答えが出るところまではいっていません。
でも、まだ1年生ですし、小さい子達はスピードよりきちんと考えて理解することが大事だとわかっているので、ゆっくりであってもできていますし、ゆっくりながら100までの範囲に進んでいました。

教具を使ってなら随分スムーズに考えられるようになり、絵が描かれたプリントもきちんとできるようになって、計算式だけの問題になっても、わからないときは絵を描いたら考えられるようになっていました。
そこで、わからないときは書いていいからねと伝えておいたのですが、おうちで宿題をする際にわからなくなったようで、おうちの方が一緒にしてくださったことがプリントを見てわかりました。

おうちの方が一緒にしてくださった仕方は恐らく多くの小学校で普通に教えられる方法なので、何も間違ってはいません。そして、その仕方がその子にわかりやすく、きちんと理解できているのであれば、もちろんそれで問題はありません。
そこで、教室でしたやり方でも、おうちで教えてもらったやり方でも、やりやすい方でやっていいよと伝え、様子を見ていました。

すると、引かれる数を2つに分け、引く数も2つに分け始めました。(それは教室で一緒にしている仕方ではありません。)
例えば、72-25であれば、72は60と12に分け、25は20と5に分けて、それぞれから引いてから合わせるという考え方のようで、宿題のプリントにはそれがびっしり書かれていました。
その仕方で理解できたならそれでもいいかと思って見ていると、初めにその子が書いたのは72であれば、70と12のように分けて書くような、それ、分けたんじゃないやん?という数字でした。

「ねえ、それ、なんかおかしくない?」と声を掛けると、少し考えて書き直したものの、顔を見る限りどうしてそう分けているのかぴんと来ていないような気がしました。
「ねえ、なんでそうやって分けるの?」と尋ねると、「わからん。」と。

もちろん、きっとおうちではそれも説明されただろうと思います。でも、自分が納得できたこと以外はどれだけ説明しても子どもは「わからない」のもまた事実だろうと思います。
ただ、ここで気をつけなくては、勘違いしてしまうことがあります。

その子はおうちで習った方法で数を2つに分けてそれぞれから引く考え方で答えを出すことは、自分が何をしているのかきちんと理解していなくてもできるようになるわけです。
大人にとっては当たり前のことでも、子どもが本当の意味で理解しなければ、テクニックを覚えて答えを出しているだけになってしまうことがあります。

簡単な例でいえば、まだ小さい子にかけ算の九九を暗唱させる幼稚園などもあるようで、九九を暗唱することができる子は「六七」といえば「42」と答えることはできるでしょう。
でも、ただ暗唱させているだけだと、六七は6が7回分、6の7倍という意味も知らず、覚え間違えたら答えは永遠にわからぬまま。九九を全部暗唱できるということと、九九を理解しているということは別物なわけです。

算数と数学の大きな違いは算数は具象の世界、実際に確かめられるような世界の学習だというようなことが言われるように、実際にものを使って確かめてみたり、絵を描いて考えてみたりできる教科なのだと思います。
その算数を、それもまだ小さいうちから、テクニックを覚えさせて答えを出させることにはあまり価値はないように思います。

結局その子には、そのやり方でやってもいいけど、何でそうしているのかわからないのであれば、答えが合っていても嬉しくないだろうし、忘れてしまったらできなくなる。でも、自分で絵を描いたらちゃんと考えられるし、意味もわかるし、できたら「やった、できた!」と思うよね?というような話をして、描かなくてもわかるようになるまではいくら描いてもいいからと伝えました。

小さい子の勉強の多くは大人にとっては簡単なため、つい、そんなのこうすれば簡単だとやり方を教えてしまいがちですが、できるだけ子どもが本当に納得しているかどうか、何をしているのかわかっているかどうかを意識して頂けたらなと思います。

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