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2017年1月12日 (木)

先入観は禁物

私は教室を始めてから、何度も何度も、それまでの「常識」を子ども達に書き換えられるということを経験しました。

教育学部で学び、家庭教師のアルバイトをしたり、その後塾講師をしたり、色々な形で子ども達と学んできていたというのに、この年齢でこの問題は難しすぎるのではとか、これは説明しないと解けないんじゃないかとか、それまで当たり前に思っていたことがかなり思い込みだったことに気づきました。

教室を始める前、ある教室を見学させてもらったとき、まだ2年生だという子が3分の1時間は何分だとか、10分の7時間は何分だとかを、式を書くでもなく時計の文字盤を見つめて答えを出してしまう姿を見て、え?どういうこと??と本当に驚きましたが、今の私にとってはそれは全く不思議ではないことになりました。

算数で苦戦しているという子でもほとんどの子が、大量に反復させるなどしなくても、きちんと理解しながら進んでいくことで平均かそれ以上にできるようになっていく姿も何度も目にしてもきました。

そんな経験を色々したことで、私の中での算数に関しての「常識」は一般的な大人とはかなりかけ離れてしまったかもしれませんが、できるはずと思っていると、実際にできるということは多々あるのです。
ですから、できるだけ思い込みを排除するよう心掛けてもいます。

それなのに、今週のレッスンで久しぶりに、ああ、勝手に思い込んでたなという出来事がありました。
これまでその内容を学習した子は記憶にある限りほぼ例外なく助けが必要でした。もしかすると、随分前に算数が抜群に得意だった男の子がひとりかふたりノーヒントで解いたことがあったかなぁというぐらいで、少なくとも女の子でノーヒントでそれを解いた子はいなかったように思う問題をやってもらうことになりました。

そのため、どの子にもそれをするときに手助けになるようにと準備する細長い紙も前もって用意していたのですが、その紙を必要としない問題もあったので「まずはわかるところを考えてみてくれる。わからなかったら助けるから。」と声をかけて、いつものようにプリントを渡しました。

すると順々に問題を解いていき、いよいよ多くの子が悩む問題に辿り着きました。様子を見ていると何か考えていそうな感じもあったので、まずは黙って見ていたところ、1問目を正解し、少し違うパターンの2問目もまた、図を見つめながらしばし考えて正解。
それを2問連続で正解したということは恐らく気づくべきことに気づいているんだなと、そのまま何も言わずに進めていったところ、その後に同じような問題が出てきても、全てノーヒントで解いてしまいました。結局用意した紙の出番はなし。私の説明も一切必要なし。

そうか、できる子はできるんだなと、これまで助けが必要な子が圧倒的に多かったため、経験上私の中に先入観が出来上がっていたんだなと気づかされました。

絶対とは言いませんが、子どもは敏感で繊細なので、こちらがこれはできないと思っていると、それが影響を及ぼしてしまいそうな気がしなくもありません。
子ども自身が感じ取らなかったとしても、指導者側ができのいい子達と思って指導するのと、できの悪い子達と思って指導するのとでは、そこにいる子ども達は同じでも学習の成果が違うという、ピグマリオン効果というものがありますから、少なくとも私はこの子はできると思って指導する方がいいのは間違いないだろうと。

気をつけていても、気づかない先入観を持っているもんだなと改めて気づかせてくれたその子にも感謝です。

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