« すごい世界だなぁ | トップページ | 謎。 »

2016年12月 8日 (木)

その子なりに一所懸命

ある1年生さんとのレッスンでのこと。
その子は1年生の早い段階で算数に苦戦し始めたことがきっかけでご縁を頂いたのですが、当初のことを思えば、できるようになったこと、自信が持てるようになった子をはたくさんあるようですが、新しい何かを学ぶたび、これまで私が経験したことがないような答えを返してくることがあります。
問題の意味を理解できれば、その後は速くはないものの、その子なりに考えて、そこそこきちんと答えが出せるのですが、最初の段階での学習内容を理解する、問題を理解する力が、今の時点ではどうやら弱そうだということは感じています。

これまで経験したことがあるような間違いだったり、推測できるような間違いであれば、私もああ、こんな風に考えたんだなとか、こんな風に勘違いしたんだなと思えるので、それに合わせた対応をすぐにすることができるのですが、この子は、これまでにまだ経験したことがないような、想定外の答えを書くことがあるのです。
そのたび、あまりに想定外でびっくりして、考えずに書いたのではと思ってしまい、「え?なんで?!」というような、その子にとっては少し責めるように聞こえるかもしれないように言ってしまうことがあります。

それでも、その子が問題を理解してくれるまでは一緒にがんばるので、最終的にはすっきりしてもらえるのですが、今回のレッスンでも咄嗟に推測できず、つい「なんでそんなことになるの?」と少し責めるような口調になってしまった気がします。

それはどんな問題だったかというと、「10が3本と1が5こで[    ]」という問題でした。

その問題をするまでに、まずプリントをする前に教具のドットのタイルを使って、実際に並べながら、10の棒が何本と1が何個でいくつになるかというやりとりを繰り返し、言った数になるようその子自身にも並べてもらったりもして、並べ終わった後更に、10は何本で1は何個かも確認し、答えられるようになってからプリントに進み、ドットの絵が描かれたプリントを見て数を書き、その後で辿り着いたそのプリントの1問目がこれでした。

念のため、問題を読み、さっきまで実際に触っていた10の棒と1のタイルも目の前に置いて、問題を考えてもらったところ、しばらく考えた後書かれた答えは「19」。

それを見た瞬間、え?何をどう考えたらそんな答えになるの!?!?と驚いてしまい、もう一度問題を読んで聞かせ、実際に教具を並べてみてと言ってみたのですが、やはりその子なりに考えているようなのに、並べられたタイルは全部で19。
「なんで?10が3本よ?これ、10が3本並んでるの?」と畳みかけてしまい、その子は少し困った顔をしていました。

問題をその子自身に声に出して読んでもらってもダメで、その後何度かやり取りをした結果、ようやく10が3本と1が5個を並べることができました。
そこから後は、何度か実際に問題に合うように教具を並べて確かめながら答えを書いてもらい、途中で教具は使わずにやってみてもらったところ、きちんとできるようになって、その子の口からは「なんかわかってきた。」という言葉も出たのでホッとしました。

しかし、その子が帰った後気づいたのです、「10が3本と1が5個」の「10+3+1+5=19」だと。
まだ幼く、問題文を理解する力が今の時点では少し弱いように感じるその子は、私が読んでも、自分で読んでも、数字以外の部分を読み飛ばして、出てきた数だけを合わせていたのではないかと思います。
少なくとも、何も考えずにでたらめを置いたわけではなく(何か考えている風ではありましたので)、その子なりに算数として精一杯考えた末だったのかもしれません。

自分の推測力の足りなさを申し訳なく思いつつも、また新たにひとつ気づかせてもらったなと、その子に感謝しています。

|

« すごい世界だなぁ | トップページ | 謎。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その子なりに一所懸命:

« すごい世界だなぁ | トップページ | 謎。 »