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2016年8月18日 (木)

具体から抽象へ

小さい頃から通ってくれている算数のセンスがかなりいい5年生の女の子。
受験を考えておられるので、4年生から受験塾と併用で通ってくれており、また、本人が意味が分からないのに公式やパターンに当てはめて処理するということに馴染めないということもあって、受験塾といっても一斉に説明をしてひたすら演習をさせるようなところではなく、もう少しじっくりやってくれるところにされました。

それでも、塾で先に習ったことはぼんやりとしか理解していない、もしくはほぼ理解できていないということが少なからずあり、できる範囲で先に少しだけこちらでやっておくとか、復習という形でフォローするとかさせてもらっています。

お盆休みの間にも塾がまたかなり進んでしまい、次にやる予定のところを少し一緒にすることにしました。
旅人算や通過算などに関する問題で、過去に一度やったことがあるものを、再度もう少しレベルアップした感じで学習するカリキュラムのようで、おさらいを兼ねて確認をしたのですが、塾で習ったことはほとんど覚えていないようです。

例えば、簡単なもので言えば、A地とB地の間を、行きは時速60km、帰りは時速90kmで往復した場合の平均の時速を求めるという問題だと、しばしばやってしまう間違いは「(60+90)÷2」なのですが、それは間違いだとわかっていても、A地とB地の間の距離が与えられていないと、子ども達にとってはひとつハードルが上がります。

もしこれが、A、B間の距離が与えられていれば、行きにかかった時間と帰りにかかった時間を求めることはさほど難しくはないでしょうし、往復にかかった時間を往復の距離が分かれば、平均の速度を計算することも、受験算数の学習をするような子であれば、大体できるはずです。

しかし、距離が与えられていない場合、塾などでは一般に、全体を「1」と置いて、行きにかかった時間は「1/60」、帰りは「1/90」、だから往復で「5/180=1/36」、往復で「2」の距離だから、「2÷1/36=72」というように、単位のない式で計算をして答えを出すという指導をするようです。
それが、まだ小学生の子ども達にイメージすることを困難にさせているのだろうと思います。

習ったのに忘れている様子のその子には、A地からB地までの間を60とか90とかで考えやすそうな距離にしてみるように声をかけると、「う~ん、180?」と(そういう感覚がしっかりある子なので。)答えました。
そこで、行きにかかった時間と帰りにかかった時間を求めてもらい、往復で360kmだから、時速はという流れで解いてもらうと、ちゃんと時速72kmという答えが出ました。

その後で、多分塾ではこう習ったはずなんだけどと前述の方法をいうと「あぁ~、そんなんだったかも~」という反応。
そこで、「1」で考えても、考えやすい数字に置き直して考えても、どちらでも同じ答えになるということを確認し、もし忘れてしまったら、そうやって考えても解けるのだと伝えました。

後者の方法だと自分が何を計算しているのか理解できるので、見ていても表情が穏やかで、答えを求めた後もすっきりした表情をしています。

もちろん、いずれは単位がないものでも考えられるようになっていくことが望ましいでしょうし、数学に足を踏み入れると、具体だけでは解けないものも出てきます。
でも、まだ小学生ですし、「算数」なのですから、本来は実生活の中で経験できるようなことを学ぶはずですから、意味が分からないと先に進みづらいという子には、こういう方法でもいいのではないかなと思います。

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