どこにスイッチが?
今週のあるレッスンでのこと。
うちに来てくれる子達で、年長さんや1年生の頃には、問題が難しそうだと感じるだけで瞬時に泣き出してしまったり、みるみる表情が不機嫌になって完全にやる気なし状態になったりという時期がある子達がいます。
そんな子が今も数人いるのですが、そのうちのひとりは、興味があることは本当に嬉しそうにニコニコ取り組みますし、へぇ~、そんなこともスラスラできるんだ!と思うようなこともある一方で興味のないことはその子にとっては絶対簡単なはずのことでもほぼ確実に拒否反応が出ます。
泣き出すこともあれば、不機嫌になって何を聞いても答えてくれず、適当なことを書いては違うと言われて消し、また何も聞こうとせずに何か書いては違うと言われ、そのうち泣き出すか怒りだすか、その両方か…という感じです。
今回のレッスンは序盤からなんだか不機嫌そうな空気を漂わせ、今日はこれ泣くか怒るかされそうだなと、ちょっと憂鬱になりつつも、問題をやってもらうために機嫌を取るというのは、なんだか子どもを馬鹿にしているような気がしてしまうので、やりたくなければやらなくてもいいよというスタンスを取ることになります。
といっても、やりたくなかったら…のフレーズは脅し文句として使うのではなく、本当に、お勉強は自分のためにするんだから、イヤだと思ってやっても賢くならないから、イヤだったら無理にしなくてもいいのだということを伝えるようにしています。
で、結局、まあ想定内ではありましたが、やはり怒りながら泣き出してしまい、見かねておうちの方がフォローに入ってくださったものの、もう小学生なので、ある程度言いたいことをおうちの方に吐き出したあたりで、これはもう一度大泣きされるか、もうイヤだ辞めたい!と言われるか、どっちかだろうな…と思いながらも、私としては穏やかな口調で、しかしご機嫌を取るような優しい作り声とかは一切使わぬまま、もう一度私が思うことを、小さいその子でも意味がわかるような言葉で伝えました。
すると、これまでのその子ならもっと泣くか、怒って「もう辞める!」という可能性が極めて高いような話をしたはずなのに、突如涙がおさまり、さんざん抵抗を示していた問題にすっと向き合ったかと思うと、しっかり考え始めたのです。無理をしている表情ではなく、明らかに集中して考えている表情で。
正直なところ、かなり狐につままれたような気分になりましたが、私がその子に伝えたかったことの何かが届いたのだったら嬉しいなと思いました。
その後は泣いて怒ったことを忘れたかのように最後までしっかり取り組んでくれましたが、子どものスイッチはどこにあるのか、それぞれ違うんだなぁと(それも、今回は何がスイッチになったのかはわからぬままですし…)思いました。
こういうことを繰り返しながら、子どもは成長していくんでしょうね。
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