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2015年7月25日 (土)

たとえ面倒でも。

私にも得意なことと苦手なこと、好き嫌いなどが色々あるように、子ども達もみんなそれぞれに違っていて、難問でも難なくクリアする子がいる一方で、これのどこが難しいの?と思うような問題でも苦戦する子もいます。

努力でカバーできる部分と、持って生まれた能力の部分があると思うのですが、例えば空間認知の能力などは生まれ持った脳の仕組みというか、それによって得意な子と苦手な子の差がかなり出るのではないかと思います。
わかりやすい例でいえば、私は子どもの頃ずっと展開図の問題や立体の切断面がどんな形になるかなどの問題が苦手でした。でも、何が難しいの?というようにスイスイ解いてしまう友人もいました。

同じように、教室で子どもたちを見ていても、年齢に関わらず、そういう類の問題を軽々解いてしまう子と、にっちもさっちもいかない子がいたりします。
後者については経験を積むことである程度まで能力を伸ばすことはできる場合が多いように思いますが、軽々解いてしまう子たちは恐らく頭の中に映像として展開図が組みあがっていったり、立体の一部が切り取られたりするところが浮かぶんだろうなと。(そういう経験をしたことがないので想像でしかありませんが。)

これはわかりやすい例ですが、同じように数の感覚が「量」としてイメージできる子と、その感覚が伴なっていない子というふうにも分かれます。まあ、こちらは空間認知の能力よりは経験を積んだり、訓練したりすることで伸びる割合が大きいようにも思いますが、能力を伸ばす、高めるというような意識なしに、ただ機械的に大量に解かせても、本当の力にはつながりづらいだろうとも思います。

前置きが長くなりましたが、今日のレッスンに来ていた子は、当初2年生の夏に10までの繰り下がりの引き算すらあやしい状態でした。それでもコツコツがんばって、最近はかなり色々なことができるようになり、学校の進度にもほぼ追いつき、部分的には先に進むことができたりもし始めました。

その子が先日から掛け算の筆算をしていたのですが、位を間違えて書いて、あり得ないような答えが出てくることがありました。
例えば「36×3」を「3×6=18」と「3×3=9」の上下の段の足し算が(この場合、18と9のお尻をそろえて書いてしまって「27」と答えるパターンは時々見かけますが)、「918」とか書いてしまうのです。

そこで、「36が3回で900とかなる?100が3回でも300よ?」と声をかけたものの、何を言われているのかわからない様子です。その子に限らず、数の感覚が乏しい子、考えずに機械的に訓練だけしてきた子などにはありがちな反応ではありますが、36が3回でどのぐらいの数になるかの感覚が伴なっていないということなのだと思います。

そういう場合、多くは筆算の「書き方」をしっかり身に着けさせようとするのだろうと思います。そして、訓練で書き方をマスターすれば、とりあえず正しい答えは出せるようになるのだろうとも思います。
でも、それは子どもにとって役に立っているのかといえば、私にはそうは思えないのです。

もちろん、先天的にどうしても数の感覚が身につきづらいという困難を抱えている子などは、ある程度訓練でできることを増やすというのも一つの方法だろうとも思いますし、学年が上がって、じっくり時間をかけていたらほかのことにまで支障が出てくるというような場合などもやむを得ず「とりあえず答えが出せる」という選択をすることもあるかもしれません。

でも、その子はまだ3年生ですし、これまで色々できるようになったことも増えてきている段階ですから、間違えるたび足し算で考え直してもらうようにしました。
筆算でわからないといっても、「だったら足し算で解いてみて」といって、何度も同じ数を紙に書いて考えているのを黙って見ていました。

面白いなと思うのは、その子にとっては苦手なはずの算数も、同じ数を大量に足さなければならないときには、その子なりに2個ずつ足して、更にそれを2個ずつ足してみたり、5個ずつマルで囲んで足してみたり、色々工夫をしているのです。
様子を見て、途中、10個マルで囲んで「これは掛け算ですぐわかるんじゃない?」と声をかけたりしながら、少なくともその子がきちんと考えて、その結果正しい答えを出せたということを繰り返してもらいました。

苦手な子ほど、きちんと考えて、この考え方なら自分でもできると自信を持てるものが増えていく方がずっと、算数への苦手意識も薄らぎ、少しでも楽しいと感じられる瞬間があるのではないかなと思うからです。

学年が上がれば上がるほど、ゆっくりじっくり取り組めるチャンスは少なくなっていきますから、3年生の今、じっくり時間をかけて考える機会をできるだけ持ってもらいたいと思っています。

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