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2015年7月 8日 (水)

引き続きコメントを頂きましたので考えてみました。

昨日の記事に引き続きコメントを頂きました。
そこまで色々調べたことはなく、またそこまで突っ込んで考えたこともなく、と言いますか、少なくとも「算数の掛け算」に関しては式の順序を意識する方がその後の学習において、デメリットよりメリットの方がかなり大きいと感じていることや、順序にこだわる場合、なぜその式になるのかの説明も、少なくとも子ども達が納得できる形でできるということなどから、「どっちでもいいよ」より、「順序を考えて」という方のスタンスを取っておりましたので、ご質問頂き、自分なりにあれこれ考えてみました。

以下は今回頂いたコメントからの抜粋です。

(以下引用)

では、
 「60×2が正しく、2×60は小学生向けとしては正しくない」
というご見解、でよろしいでしょうか?
もし私に小学生の子がいたとしたら
 「掛け算の順序はどうでもいい筈だが、学校ではマルをもらうためには
  教わった通りにしなければならない。
   『●時間を分で表わしなさい』
  という問題にたいしては 60×● という式にしなければならない。」
と教えることになると思います。
しかし、一部の自治体の学校では、それが裏切られます。
■千葉県教育委員会
 http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/gakuryoku/documents/s5_001.pdf
 2ページ
 >2時間の40%は何gですか。
 >(式)2×60×0.4=48
  つまり「2時間を分になおす」を 2×60 としています。
■岩倉市教育委員会
 (ポルトガル語適応教室と書いてありますが、教育委員会のサイトです)
 http://www.iwakura.ed.jp/nihongo/sansu%20s6-9.pdf
 7ページ
 >0.8時間を分になおすと,0.8×60

さてここで質問です。
【質問1】このようなことは、子ども・保護者にとって困惑させられる状況で
  ある、ということをご理解いただけますか?
【質問2】このようなことが起こるのは、何故ですか?

(引用終わり)

まずご質問1につきましては、私はこれまで知らなかったので、これらの例がこの式の順でなければ間違いだということであれば、確かに困惑するだろうと思います。

ご質問2に対する、この方のお考えは別にコメントとして頂いており、その推測はきっと正しいのではないかと思います。
以下、少し長くなりますが、ご興味がおありの方はお付き合いください。

話はかなり遡ります。

もともと私は教員志望だったので、教員免許を取るために大学へ進みました。
今は別の学部に変わってしまいましたが、地元の大学の教育学部の初等教育科で学び、小学校と中学・高校の国語の教員免許を取得しました。(卒業後色々制度が変わり、免許は更新が必要になったと思いますので、もう期限切れになって久しいのだと思いますが。)

教員を目指しての進学でしたから、授業には真面目に出ましたし、自分なりに一所懸命学んだつもりです。
ただ、卒業を前に思ったことは、もしこれで教員採用試験を受けて合格したら(もしくは、私立校などであれば免許があってその学校に採用してもらえれば)教壇に立って子ども達を指導することになるのか?!というものでした。

というのも、当たり前といえば当たり前かもしれませんが、小学校の先生は基本的に全教科を指導しますので(副教科などは別の先生であったり、最近は算数専門の先生がいる場合などもあるようですが)、それぞれの教科の概論のような授業はあるものの、教科書の内容について深く掘り下げたり、一つ一つの単元をどんなふうに指導すればよいかなどの授業はほとんどありませんでした。

そんな状態で教育実習にも行きましたが(本実習は1か月、もしくは5週間)、中学校以上の専門教科の指導ではないため、教科書のある単元を指導するのは基本的に担当しているクラスで1年に一度だけです。
まだ学生で慣れていないということがあったにしろ、毎日全ての授業についてきちんと指導案を作って授業をするというのは、恐らく不可能だなと感じました。

先生方は授業のある日はほぼ毎日4時間から6時間の授業があると思いますので、それらを全て指導案を作り、日々のテストや小テストなどの採点や事務仕事、保護者との連絡などもしつつ、もちろん子ども達との日々の生活指導もしながら、睡眠時間を確保し、休日には人間らしく休んで生活していくというのは、恐らくよほどの超人でなければ無理だろうなと感じました。

私の記憶はもう遥か昔のものですので、その後制度が変わっている部分もあるかとは思いますが、友人などから聞く話では、そんなに大きく変わったということはないのではないかとも思います。


さて、教育学部で必要な単位を取得し、教員免許も無事取得した私ですが、自分で教室を始めたとき、読んだ本の中に、ウサギが5羽いて、耳の数を問われた場合、「2×5」が正解であって、「5×2」は間違いであるという趣旨のことが書かれているのを読んで(それも絵までつけて説明されていたというのに…)、「え?なんで5×2はダメなの?」と思いました。

要するに、少なくとも私は大学で算数の掛け算の順序について学ぶ機会はなかったということです。
掛け算はほんの一例で、大半の教員が多かれ少なかれ「過去の自分の経験や知識」で指導しているのだろうと思います。

もちろん、小学校の先生方はそれぞれ何かの教科の勉強会などに属しておられたり、研究授業などをされたり、日々研鑽に努めておられる方が多いとは思いますが、先に述べましたように、先生方の忙しさを考えると、全教科全ての内容にわたって、きちんと理解を深めていくというのはほぼ不可能だろうと思います。

もし仮に私が、卒業後教員採用試験を受けるとか、そうでなくても非常勤の形で小学校の教壇に立っていたとしたら、5羽のウサギの耳の数は「2×5」でも「5×2」でも同じだと指導していたのではないかと思います。
九九を習ったのは自分が2年生のときですから、どんなふうに習ったかは覚えていませんし、改めて考えたこともありませんでしたので。

私のような状態で教員をされている方も恐らく少なからずおられるだろうと思います。
コメントをくださった方が紹介してくださったリンク先で掛け算の順序が「算数の掛け算」の考え方だとおかしく思える順に書かれているのは、掛け算の順序を意識する機会がなかった方が書かれた、もしくは、算数というより数学がご専門の方が書かれた、そんなようなこと、もしくは、忙しい中書いたものを見直す時間がなかった、もしくは見落とした、そんな色々な可能性が考えられるのではないかと思います。

頂いたコメントの答えになっているかどうかわからず、ずっとあれこれ考えていましたが、それでもやはり、「算数の掛け算」には順序があるのではないかなと思っています。

例えば「2の5倍」といえば「2×5」と書くのが自然なのではないかと思います。これを「5×2」と書くのが間違いかと言われるとどうなのかわかりませんが、言葉を素直に受け取って式にすれば「2×5」の式が自然ではないかと。

だとすれば、昨日ご質問を頂いた2時間は何分かというものは「60分の2倍」ですから、やはり「60×2」なのではないかと。

ただ、例えば、分数の読み方は英語では分子→分母の順で読むそうですから(3分の1なら、“one third または a thirdと読むそうです)、自分としてはこれが普通、当然と思っていることも、身を置く環境によっては間違いになるのかもしれません。

例えば、中学の数学では「×」は省略して表すようになりますので、「2×a」も「a×2」も「2a」と表されるようになりますから、結果的に式の順序は関係ないということになるのだろうと思います。

ですが、中学段階では文字はアルファベット順に書くという約束事を習いますので、例えば「c×a×b」でも「abc」と並べ替えることになり、順番が間違っていればバツをつけられる時期があると思うのですが、高校の数学では、循環するように敢えて「ab、bc、『ca』」などのように並べたりもします。それもどこでどう指導されるのか、暗黙の了解のようなものなのか、自分ではきちんと指導を受けた記憶はありません。(忘れているのかもしれませんが…。)

ご質問の答えからどんどん遠ざかっていっているような気もしますので、このあたりにさせて頂こうと思いますが、もし私が親で、例えば例に挙げてくださった千葉のサイトの問題で、我が子が「60×2×0.4」の式を書いてバツをもらってきたとしたら、なぜその式ではいけないのかを尋ねるだろうと思います。

長くなりましたが、今回はこのあたりで。

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