もう何年も前になりますが、コメント欄になんとも気持ち悪いコメントや全くありもしないコメントなどがつけられたことがあり、コメント欄を閉じてしまっていますが、今日久しぶりにコメントをくださった方がおられました。
ただ、それが2009年の記事で自分でも何を書いたっけ?と読み直してみたところ、昔何度もブログを読んだ方に性別を間違われたことを思い出しました。(全く余談ですが…。)
確かにこの文章だと間違うかもなぁと思いながら読み返しましたが、コメントを頂いたのは掛け算の式の順序に関するものでした。
そのときの考えと今も私としては変わっていないので、改めて少し書かせて頂こうと思います。
ネット上でこれまで何度となく目にしている掛け算の順序に関する論議があります。
主に小学生を指導している方は順序にこだわり、中学生以降、ざっくりした印象だと高等数学を使いこなせる方の多くが順序にこだわるのはおかしいという意見であるように思います。(もちろん、これに当てはまらない方も大勢おられると思いますが。)
2009年の記事で9匹のちょうちょの羽の枚数を問われた場合は「9×4」でjはなく「4×9」でなければならないということを書いていまして、頂いたコメントはどちらも正しいのではないかというものでした。
「機械的に単位を手がかりとして立式させるのは好ましくない」とも書いてくださっていましたが、「機械的」な処理はうちの教室では最も対極にあるようなものなので、そこは人それぞれの受け止め方、感じ方なのだろうとも思います。
それに、私個人は掛け算の順序にこだわらないというポリシーを持っておられる方を論破するつもりはなく、きちんとしたお考えをお持ちの上でそうお考えなのであれば、それでよいのではないかと思っています。
ただ、少なくとも小学生が掛け算を学習する段階では「4+4+4+4+4+4+4+4+4」は4が9回なので「4×9」に直され、「9+9+9+9」は9が4回なので「9×4」だと、式の意味に区別があるはずです。
そして、ちょうちょの羽の枚数を問う問題を掛け算ではなく足し算で解くようにと言われれば、ほぼ全ての子が「4+4+4+4+…」の式を書くのではないかと思うのです。
もし仮に教室に来てくれている子で「9+9+9+9」の式を書いた子がいたとして、その子にどうしてその式にしたか尋ねたときに、これは本当に例えばですが、右上の羽が全部で9枚、右下の羽も9枚、左上も左下もそれぞれ9枚だからというような説明をする子がいたら、その考えはすごいねというだろうと思います。
ただ、もし逆に割り算の問題で「ちょうちょの羽を数えたら全部で36枚でした。ちょうちょは全部で何匹でしょう」と問われれば「36÷4=9」であって、「36÷9」になることはありません。
これは私の理解が間違っているなら改めなければなりませんが、「36枚を4枚ずつ分ける」という場合、割る数と割られる数の単位が同じですから、4枚セットの羽が何回取れるかを表しています。それは「枚」÷「枚」で単位も約分されて消えてしまうような感じなのだと理解しています。
もしちょうちょの羽が1匹に何枚かの場合、「36÷9」で「4枚」となりますが、この場合は割る数と割られる数の単位が揃っていませんから、36枚の羽を9匹に同じ数になるように配った結果1匹あたり4枚となります。これは、単位が揃っていない場合は割られる数の単位が残ってくるからだと理解しています。
ただ、教室にお子さんを通わせてくださっている方はなんとなくお分かり頂いているかと思いますが、それを機械的に教えるようなことは決してしませんし、むしろ問題の意味を考えず処理をしようとする子はなぜそう考えたのかを説明してもらうようなことはしばしばあります。
そして、少なくとも式を作るときに単位を意識するということは掛け算に限らず、算数においてはとても大事なことなのは間違いないとも思っています。
単位の違うものは足したり引いたりできませんし、長さや重さなどであっても、メートルとセンチメートルなど単位が異なればそのまま足したり引いたりはできません。
何より、算数で単位が関係する問題はイメージすることができるものですから、イメージした上で式を作るということが大事なのではないかと思っています。
もちろん、これは私の考え方なので否定される方もおられるだろうと思いますが、このような考え方の先生方が少なからずおられるのも事実です。
そして、算数の段階では私としては単位を意識した上で式を作るということを大事にしてもらいたいと思っています。
最近のコメント