残念なこと
就学前から通ってくれていたのですが、ほかの習い事などの兼ね合いで高学年になってからはこちらの時間が合うときだけ不定期で続けている高学年の子がいます。
その子は毎週来てくれていた頃にはしばしば、ほぉ~、すごいなと感心させられることがあったり、こちらが何も言わなくても問題はじっくり考えるのが当たり前という感じになっていました。
しかし、高学年になって学校の授業のペースもこれまでより早くなったぐらいから月に1.5回ぐらいの頻度でしかレッスンをさせてもらえなくなり、そのせいなのかどうなのかはわかりませんが、以前なら考えられなかったような間違いをしたり、じっくり考える前に解いて間違うか、まだじっくり考えていないのに分からないと諦めるか、そういうことが増えてしまいました。
今回のレッスンでも18分の5時間が何分何秒かを求める問題で、分に直そうとして出てきた分数がどういう意味なのかぴんときていない様子だったので、「何秒まで答えるってことは、絶対秒の単位まで行くんやから、秒に直してみたら?」とだけ言ってみました。
すると、少し考えて1時間が3600秒だということはわかったようなのですが、見ていると、18分の5に3600分の1を掛けようとしているのです。(3600で割ろうとしているということです。)
教室の子達には、言わなくてもできている子は別として、それをきちんと意識してくれるまで口酸っぱく式の意味、式の順番の大事さを言い続けているので、何秒かを求めるのであれば当然3600から始まる式にならなくてはいけません。
3600と18分の5を足したり引いたりしても解けそうにないことはわかるはずですから、あとは掛けるか割るしかない。仮にどちらか迷ったとしても、答えは1時間より短くなるのですから、その意識さえあれば間違えて計算してしまっても気付くことができるはずです。
しかし、その子は何の疑問も感じずにそのまま計算しようとしているので、「なんで18分の5時間が1秒より遥かに短くなるの?」と言ったのですが、まだぴんときていない様子です。
その様子を見ていると、その子にはまだじっくり考えることが当たり前というところまでは身についていなかったのか、学校などで公式を教えられ、それに当てはめて解くことや、スピードを求められることに影響されてしまったのか、はっきりとした理由はわからないものの、なんだか少し悲しい気持ちになりました。
もちろん、それでも学校の算数には困ってはいないようですし、恐らく平均以上にできているのだと思いますから、心配しなくてもいいのかもしれませんが、その子が持っている本来の力が押し込められてしまっているように感じて、やはり残念に感じてしまいます。
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