変わらないってすごいこと。
今日は教室の1期生で、この春から大学生になる子が合格の報告に(といっても、なぜか高校入学後少しの間だけ一緒に勉強させてもらったりもしましたが、通ってくれていたのが小6までなのに。)わざわざ来てくれました。
レッスン前の時間に来てもらったのですが、先日私の母校でもある高校に合格が決まった子が3月の残りのレッスンのために時間より少し早く到着し、学年は3学年離れているものの、その2人は子どもの頃からの知り合い。
おまけに、合格報告に来てくれた子も私の母校の卒業生。
そこで、ふと入学時に出される宿題のことであることを思い出し、尋ねてみました。
いつからなのかわかりませんが、「自由と規律」という新書を入学前に読んで感想文を書くという宿題が出されていて、私たちの頃にもその後もずっと続いているようでしたので、もしや今も?と思って尋ねてみたのです。
すると、今春大学生になる子も、今春高校に入学する子も「ああ、ありました。」「あります。」と。
気になって、子ども達が帰った後、検索してみたところ、私が生まれるよりもっと前に出版された本のようです。
高校時代は、ちょっと読んだもののちっとも面白いと思えず、ところどころ読んで適当な感想でお茶を濁してしまったような記憶があり、内容もパブリックスクールの話だったよなぁ、たしか…ぐらいにしか覚えていません。
そんな話をしたところ、大学生になる子は面白くなかったということに共感しつつ、友達とかは検索して適当に内容をコピーして提出したりしていると言っていました。
高校生になる子はまだ読んでいる途中のようで、最終的にどんな感想を持つのかはわかりませんが、大学生になる子の話を聞いて、そうか、長い間同じ課題を出し続けるということは、今の時代なら検索してそれっぽい感想を写して提出することもできるんだなぁ、時代だなぁと、ある意味感心しつつ、それでも、何十年も変わらずそれを課題として出し続けるのは、母校として入学してくる生徒たちに何か感じ取ってもらいたいものがあの本には書かれていたんだろうなと。
検索したときに某ネット書店のレビューを見ていると、もしかすると母校の先輩なのかもと思う方が読む気にならずしばらく放っておいたけど、読んでみたら面白かったというようなことを書いておられたりもして、そもそも、タイトルの「自由と規律」というそれ自体、母校が伝えたいことそのものだったのかもしれないなと、そんなことを思いました。
個人的にはあの本が自分が読んだ初めての岩波新書で、それ以来、岩波新書は難しくて私にはちょっと…という印象を刷り込んでしまったような記憶もあるのですが、近いうちに読んでみようかなと思ったりしています。
今の時代、色々なことがどんどん変わっていく中で、その宿題もそうですし、母校の制服のデザインは仕様などの部分でマイナーチェンジ(?)はあったものの、実は、母校の前身である県一高女の頃から変わっていないのです。
自分が高校生の時、バスの中で年配の女性の方たちが制服姿の私たちを見て、「その制服懐かしいわ」と話しかけてくださったとき、その女性たちが高校生の頃からこの制服だったのか!と驚きつつ、当時はとってもハイカラだったんだろうなと思ったりもしたのを思い出します。
うまく言えませんが、今の時代だからこそ、「変わらないよさ」というものもあるのかもしれないなと、なんだかそんなことを感じた時間でした。
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