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2015年3月13日 (金)

今日の気づき。

そこそこ長くこんな仕事していますが、空間図形は未だ苦手分野。
わからないところは実際にモノを使って切り取ったり、広げたり、色々な方法で理解するよう努めてきたので、自分が小中学生だった頃に比べると、これでも随分わかるようになったこともあるのですが、頭の中でパッとイメージできる子の感覚には全く近づくことができません…。
こればかりは努力だけではどうにもならないところも結構多いのがツライところです…。

そんな私が今日またひとつ賢くなったことが。
数学がかなり得意な中学生くんが正四面体の一部を切り取った名前のない立体の体積を求める問題を考えていたのですが、止まっているようだったので「2つに切り分けて考えられへん?」とだけ声をかけてみたところ、予想とは違う切り分け方をしました。

それは、三角錐とピサの斜塔のイメージで斜めに傾いた状態の三角柱の2つで、確かにその方が解答解説に出ているような切り分け方より考えやすいものの、斜めになってる柱も数学で「三角柱」って呼んでいいんだっけ?とのかなり初歩的な疑問にぶつかりました。

私はこれまでそんな柱には教科書でも問題集でも出合ったことなかったもので、数学的にそれを三角柱と呼んでいいのかわからなかったものの、ここは体積が出せればよいので、その斜めになった柱の底面積と高ささえはっきりすれば解けるんだなと。

ただ、ふと、斜めになったものの高さはどうなるのかわからなくなりました。
変わらないような気もするものの、身長計に斜めに立ったら実際の高さより低くなるよね?と。実際の高さより低くなってしまうのであれば、通常の三角柱の体積の求め方では求められないことになってしまいますし、その子も自信を持ってそれで解けると思っているわけではなく、更には解答解説にはその発想は全く出てこないとなると、何かで確めることができなければ、せっかくその子が思いついた、解答解説より考えやすそうな方法を使ってはダメと言うしかなくなります。

間違っているならともかく、合っている気がするだけに、これはどうにか確めねば…と。
そこで、普段教室で立方体の展開図の学習用に数枚重ねて置いてある、マグネットのプレートを斜めにずらしてみました。

「あ!高さは変わらないのか!」

そのときのスッキリしたことったらありません。(といいつつも、人間の背の高さが変わるのになんでかその辺はまだスッキリしてないのですが…。)

ということで、解けるはずなのに、その子はなかなか正しい答えに辿り着きません。
理屈じゃできるはずなので、その方法で自分でも解いてみたところ、解き方は違ってもきちんと正解になりました。

教えないことによって、前もって準備しているのではない反応がかえってきたらこんな風に戸惑うこともありますが、そのお蔭で新たに気づくことも、自分自身が学ぶこともできるので、こういう瞬間は本当に貴重だなぁと思います。

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