今日のレッスンでの出来事。
その子が言ったことが本当かどうか(私の尋ねたことがうまく伝わっていなかった可能性がなくはないもので)わかりませんが、ある問題で行き詰っていた子に、折り紙で言えばやっこさんなどを折るときの最初の折り方とでもいうのでしょうか、正方形のそれぞれの角が紙の中心に集まるように折って、元の紙の2分の1の面積の正方形になるように折る折り方を「折り紙で何か折るときにそんな風に折ったことない?」と尋ねたときのこと。
「ない。」
きっぱりと言い切ったので、話が通じていないんじゃないかと、再度、「折り紙よ?何か折るときにそんな折り方したことない?」と尋ねたものの、普通の顔で「うん、ない。」と。
それでもまだ何か意味を勘違いしているのかもと、折り紙を1枚取り出して、「じゃあ、そんな風に折ってみてよ。」と渡すと、初めはどう折ればいいのか迷っている様子でした。(折ったことがある子であれば、まず正方形を半分に折って、それを更に半分に折って4分の1の正方形にし、紙の折り目に沿うようにそれぞれの角を中心に向けて折りこんでいくはずですが、そういう動きをせず考えているようでした。)
ということは、恐らく本当にその子はこれまで折り紙をそんな風に折ったことがなかったということなのでしょう。
でも、その子はもう高学年になっているのです。
その子が考えていた問題は、正方形の中に面積が2分の1になった正方形が、その中に更にその2分の1になった正方形が…と折り紙でいえばどんどん同じ角を中心に向かって折りこむ作業を繰り返して行き、6回目にできる小さな正方形の面積を考えるというものでした。
1回ごとに正方形の向きが変わるものの、折り紙で折ったことがある子であれば、1回目で最初の半分の面積になり、2回目で更にその半分…と、経験でわかるようなことだと思うのですが、折ったことがないというその子はそこがすぐにはぴんとこなかったようです。
今日のその子に限らず、ほかにも折り紙を二つ折りや四つ折りにして切って広げたらどうなるかというような問題で苦戦する子がいるというのは先日書いたかと思います。
小さい頃に遊びとしてそういうものに当たり前に触れていれば、苦もなく解けるようなものでも、経験がなければ考えようがなくて困っている子もいるのです。
今はパソコンやスマホ、タブレットなど、なんでも便利に手軽に済ませられるようになった半面、手先を使ってする遊びから遠ざかっている子ども達も少なからずいるのかもしれません。
ただ、液晶画面を触っていてはわからないことは絶対たくさんありますし、きちんと紙を折ったり切ったりするには手先の器用さも必要になります。
手先を器用に使えるということは、「賢く」なる上でもとても大事なことでもあります。
折り紙遊びを賢くなるためにするというのはなんとなく違うような気もするのですが、大事なお子さんが小さい頃にそういうことをしていないことで算数で苦労するかもしれないのであれば、親子で楽しく折り紙や切り紙で遊ぶ機会を作ってもらうことも意味があるのではないかと。
昔ながらの遊びは、子どもの脳の発達にもよいと思われるものが色々あります。
小さいお子さんとそういう遊びをあまりされていないご家庭がもしおありでしたら、ゲーム機で遊んでいるだけでは得られない経験を、実際にものに触れながら、色々させてあげてもらえたらなと思います。
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