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2014年10月 3日 (金)

具象から抽象へ。

あるレッスンでのこと。
3年生の子が分数のおさらいのような問題を解くことになり、プリントを渡す時に「絵を描いたら分かりやすいと思うよ」と声をかけました。

最初の問題は2000円持っていて、そのうち8分の3で鉛筆3本を買い、残りの5分の4でノート5冊を買ったというもので、鉛筆1本の値段とノート1冊の値段、残金を問われるものでした。
問題文だけだと一瞬難しく感じますが、図に表すと結構簡単に解けるので、基本的にはみんなに図を描いてねとか、描くといいよとか言っています。

しかし、まだ3年生のその子は一瞬どんな絵を描いたらいいのかわからなかったようなので、その子とは線分図の学習もしていましたので、1本線を引いて端から端までを2000円と描いて見せました。
しかし、まだ少し意味がわからないような表情を見せたかと思うと、おもむろに円を描き始めたのです。

見ていると、どうやらその子は円を8等分にしようとしている様子。
そして、8等分できたらそのうち3つ分に色を塗り、問題文を見直しています。
その後はほんの少しの声かけだけで全部きちんと解くことができたのですが、もうすっかり大人になってしまった私にはこの問題を読んで図に表すのには当然線分図を描くものだという固定観念のようなものが出来上がっていて、その子が円を描いたときにちょっとびっくりしてしまったのです。

でも、きっとその子の成長段階がまだ8分の3と言われたときに線分を8等分するより円を8等分する方が考えやすかったということなのだろうと思います。
3年生ですから、年齢的にも具象から抽象へ移行する途中なのかもしれません。

そういえば、これまでレッスンをした子達の中で、ただの1本線を等分するとよく意味がわからず、でも、それをテープ状の色を塗ったりできる幅のある図に直すだけで考えられるようになったというようなこともありました。
それもやはり、その子達にとってはただの1本の線とテープ状の図とでは受け止め方が違うということなんだろうなと。

何年やっても子ども達は本当に色々な気付きを与えてくれます。

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