文章題の方がきっと簡単。
一般には算数は計算問題より文章題の方が難しいということになっていますし、学年が上がるとか、または学習する単元によっては、そういう面もあるかとも思います。
ただ、まだ抽象思考があまりできない年齢の子達にとっては、ただの数式より、文章題の方が簡単なのではないかなと思うことがあります。
今日もこんなことがありました。
2年生なのですが、算数でかなり苦戦しているということで夏頃から来てくれるようになった子がいます。素直で可愛らしい子ではあるのですが、確かに現状ではなかなかしんどそう。
それでも夏から何ヶ月かコツコツ少しずつやってきて、緩やかながら変化し始めているかなとも感じています。
その子と今日は100までの繰り下がりのある引き算の暗算をしたのですが、例えば「64-27」の場合、まず24を取ってから、あと3を取るという考え方をしてもらいます。何度か教具を使って確かめた後、絵が描かれたプリントをやってもらい、その後計算式だけのプリントへ。
そのプリントで、まずは半端な部分を取った後、あといくつ取ればいいか尋ねても、そこがどうしてもぴんとこない様子で、何度も答えを間違ってしまいます。
全部で57取りたいところを、まず56取れば、あと1取ることになるわけですが、その「あと1」の部分がうまく考えられないようです。
そこで、「ねえ、飴がいっぱいあってね、57個取ってもいいよって言われたんやけど、がばっと取ったら56個だったの。あと何個取ってもいいの?」と尋ねたところ、それまでと打って変わって、「あと1個」と即答したのです。
その後もそういうような表現で尋ねると、数式だけを見ているときとは明らかに反応が変わりました。
低学年の段階で算数が苦手な子達には、比較的そういう傾向が見られるように思います。
それはきっと、数字と数量とがリンクしないからということなのだろうなと。でも、飴とかシールとか、何か自分に身近なもので例をあげられたら、抽象的な「57」が具体的な「57」になるのだろうなと。
そういうことを考えても、きっと小さいうちはただの計算式より文章題の方が考えやすいのではないかという気がします。
そして、文章題をイメージしながら解くことで、成長とともに抽象思考へとスムーズに移行していけるのかもしれないなとも思います。
| 固定リンク
« 台風襲来 | トップページ | 日本語って難しい。 »
コメント