どうしてなんだろうな。
それぞれの子に能力差や興味の差があることはわかってはいるのですが、ある子を見ていると、どうしてなんだろう…と思ってしまうことがあります。
その子は少し問題が難しいだけで泣きそうになったり、実際に泣いてしまったりする一方、やり方を知っている問題だと安心して楽しそうに解くという、まあ恐らく世間一般には決して珍しくはないタイプなのだろうとは思うのですが、うちの教室に小さい頃から来てくれているのに、その傾向が全く変わらないという、そういう意味で珍しいタイプです。
その子は学校の算数の進度も速いようですし、昨年から塾にも行き始めたということなども影響しているのかもしれませんが、学年が上がっても「初見の問題を自分の頭で考える」ということがなかなか難しいままなのです。
今週のレッスンでは以前やったおさらいで概数の問題があったのですが、うちの教室でやるより先に塾で四捨五入については習ってしまっていて、でも、概数(およその数)がどういうものなのかはよくわかっていないという、あまり役に立たない勉強をした状態でした。
そこで、再度概数について確認をし、問題もやってもらったのですが、少し間が空いただけでまた完全に概数がどういうものかわからなくなっていました。
実際おさらいの問題をやり始めてもとんでもない答え、全くルールにのっとっていない答えを書いたりします。
思い出してもらおう、考えてもらおうと、あれこれ遠まわしに声かけをしても、反応がないばかりでなく、また泣きそうな顔になっています。
学年やキャリアを考えても自ら手を動かして絵や図を描いてもらいたいので、声かけしてもダメ。
そこで私が数直線のようなものだけを描いて一切説明はせず渡すと、それを見たら詰まっていた問題が解けました。でも、次詰まっても自分ではやはり描けないのです。もう一度だけ違う数直線を描いて渡すと、またその問題も解けたので、次に詰まったとき、自分で考えて描くように言ったところ、ようやくどうにか描いたものの、今度は答えが、え?なんでそれを描いているのにそうなるの??という答えに…。
十数年教室をしてきて、過去にもごく僅かながらいつまで経ってもやり方を教えてほしがり、少しでも難しいと考えることを避けようとする子がいるにはいましたが、これはやはり性格的なものなのでしょうか。それとも、ほかの習い事や学校での指導のされ方などの影響なのでしょうか。
子どもはひとりひとりみんな違うので、どういう学び方がその子にとってよいのか、少なくとも自分の頭で考えて解ける喜びというのはあまり感じていなさそうなだけに、悩むところです。
でも、別の子で、以前はじっくり考えて分かっても特に嬉しくないし、やり方を教わってマルになればそれでいいと言っていた子が高学年になったある時期を境にかなり考えられるように突然変わったということもありましたから、なかなか判断が難しいです。
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