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2014年9月 2日 (火)

悲しくなるけど…。

算数が苦手な状態でうちに来てくれるようになってまだ2ヶ月ほどの子とのレッスンでのこと。
体験レッスンのときに、数量感覚がほとんど身についていない印象だったので、何がわかっていないのか確かめるために、来てくれてしばらくは学年を遡って、これまでの全ての単元をざっとおさらいし、夏休みの途中で当該学年の1年下の学年までの範囲はひと通り終え、何が苦手か、何がわかっていないかを把握しました。

ただ、その子に限らず、そういう子は決して少なくないのですが、「計算の仕方」のようなものはなんとなくわかっているところもあり、出てきた数字をとりあえず足してみたり引いてみたりかけてみたり…とそんなことをしていることがあります。

で、これも恐らく学校や一般的な塾では珍しくないのでしょうけれど、単位が関係している単元は大半が曖昧な理解だということがわかりました。

例えば、1メートルは10センチだか100センチだか、1キロメートルは10メートルか100メートルか、それとも1000メートルか…と、そのあたりが曖昧で計算するたび規則が違ったり、あり得ない単位換算になっていたりというようなことが起こります。

2メートル数センチと4メートル数センチを足し算しているのに答えが72メートル数センチ(筆算した答えの10の位からをメートルに繰り上げているという感じです。)というように、ほんの少し考えれば絶対におかしいでしょ?と思うような答えをいくつも書いて、それでも全く気付く様子がないのです。

教室を始めてそこそこ長くなってきたので、そういうとんでもない答えを書いても平気な子に出会う機会がかなり減っていて、なんで気付かないの?と思ってしまうのですが、そういえば塾に勤めていた頃とかにはそういう子ちょくちょくいたなぁと思い出しました。

実感がないのに計算の仕方、解き方を教わって、とりあえずその通りにやったらマルをもらえた。「なんかよくわかtらないけど、これでいいんだ。」そんな積み重ねをし続けると、どんどん考えなくなりますし、教えられなければ解けなくなっていきます。
もちろん、自分の頭で考えていませんから、おかしな答えを書いても言われるまで気づきません。

これってものすごく恐ろしいことだと思いませんか?
もちろん、算数では考えないけど、普段の生活で何かを真剣に考えているというような場合はいいのかもしれません。
ただ、教科学習の中で本来「考える」、「試行錯誤する」練習になる一番の教科は算数なのではないかとも思います。その大事な教科を考えずに何となくやり過ごすのは本当にもったいないし、場合によってはとても危険なことでもあるかもしれません。

久しぶりにとんでもない答えを書いても気づかない子とレッスンをする機会をもらいましたから、昔を思い出すきっかけにもなり、また、それがどれだけ怖いことなのかも改めて考えるきっかけにもなりました。
そのことに感謝しつつ、1日でも早く、その子がきちんと自分の頭で考えられるように、とんでもない答えに「あれ?」と気づけるように、できるサポートを精一杯していこうと思います。

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