ちょっと切なくなったこと
昨日は帰宅して食事をしたら、どうにもこうにも眠くて、ブログをサボってしまいました…。
本当は昨日書こうと思っていたことですが、あるレッスンでのことでした。
まだ通ってくれるようになって日が浅い子なのですが、おうちの方から伺ったお話では、好きなことにはとても集中するものの、そうでないことにはなかなか集中ができずに気が散ってしまい、手遊びが出たり、ひとりごとを言ったり、落ち着きがなくなってしまいがちだとのこと。
その子が体験に来てくれたときに感じたのは、もう今は中学生になっていて、受験塾に変わるタイミングでお別れした、ある男の子とタイプがよく似ているなということでした。
体験レッスンをさせてもらったとき、おうちの方はあんなに集中できるとは思わなかったとおっしゃったのですが、ほぼ1時間ちゃんとレッスンに取り組んでくれました。
ただ、その後は学校などで疲れていると、体験のときのように集中することができず、問題の計算の途中でも他のことに気がいってしまい、何をしていたかわからなくなってまた最初から。でも、その途中でまた他のことに気がいってしまい、だんだんイヤになって…という状態になってしまうこともありました。
幸い、過去に似たタイプの子がいたこともあり、ある程度経験の範囲のことでもあったので、強く注意をしたからと言ってあまり効果がないであろうと、ほかの子の邪魔にならない範囲であればなるべく注意をせず、できるだけプラスの声かけをするようには努めていました。
前回のレッスンはご用ができたとのことでお休みだったため、今回は少し久しぶりのレッスンになったので、調子が少し心配だったのですが、学校がお休みになって疲れが抜けているからか、体験レッスンのとき以上によく集中もでき、また、この子は集中していると算数のセンス自体は結構あるように感じるので、結構多くの子が間違えるような問題もしっかり考えて正解していきました。
その姿を見ながら、集中したら本当によくできるよなぁと感心しつつ、「すごいね」「うん、そうやね」「ほんまによくできてるね」と何度も声をかけていると、その子が普通より小さな声でぽつりとひとりごとのようにつぶやきました。
「ぼく、賢いんかな。」
それが聞こえたとき、なんだかなんともいえない切ない気持ちになりました。
私はその子とは算数しか一緒にレッスンしていませんから、ほかの教科のことはわかりませんが、少なくとも算数に関しては比較的高い能力があるように感じています。
なにより、きちんと考え、自分が理解した上で解いているのを感じますから、「頭のよい子」なのだと思います。
ですが、きっと、学校などでは大人数の中でもきちんと席に着き、先生の話をきちんと聞いて、その通りにやれる子が「賢い子」と評価されがちなのでしょう。
もし私が学校の先生をしていたとしたら、確かに30人も40人もいる子ども達に一斉に指導をしているときに、授業に関係ないことに気がいって集中してくれない子、放っておくと手遊びをし始める子がいたら、注意もせざるを得ないだろうと思いますし…。
そして、この子は学校などで、褒めてもらう機会はなかなかなくて、何度も何度も注意され続けているのかもしれないなと。
もちろん、その子がつぶやいたたったひと言で想像しただけですから、実際はどうなのかわかりませんが、普段大きな声で元気にしゃべる、しゃべってはいけないときでも大きな声でしゃべってしまうこともあるその子が、聞き取れるかどうかの声でぼそっと言ったのが印象的で…。
私は子どもに対しても本当にすごいと思ったときしか褒めないので、その子に対しても取ってつけたように褒めることはできませんが、褒められる機会にはできるだけ言葉にして褒めたいなと、そう思いました。
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