少しずつだけど。
通ってくれるようになって今でひと月ほどになる2年生さん。
当初のおうちの方のお話だと、かなり早い段階から算数が苦手な状態で、2年生ながら、まだ10までの足す引くも不安があるようなお話で、体験レッスンをさせて頂いたときに、やればできそうな印象は受けたものの、確かにこの状態だと学校の算数でももうしんどくなっているかもしれないなと感じました。
そういう状態の子達の多くは、問題を読んでもわからないと思っているようなところがあり、よく考えもしないうちから適当に思いついた答えを当てもののように言っていく、それも次々と矢継ぎ早に「当たる」まで言い続けるようなこともあるのですが、その子もそういう傾向が見られました。
ただ、まだ幼さの残る素直な印象を受けたので、案外早く変化が見られるかもしれないなと思いながら、一緒にレッスンをさせてもらうことになりました。
そしてまだ体験を含めても6、7回一緒にレッスンをしただけなのですが、今日のレッスンで既に変化の兆しを感じることができました。
特に大きな変化はじっとして、数を思い浮かべようとする時間が時々出てき始めたことです。そして、それが思い浮かんだときにはきちんと考えて、本当に分かって答えているのだということを、恐らく本人がなんとなく感じ始めているのではないかと。
そうなれば、ここからは更にぐっと変化が出てくるかもしれません。
というのも、恐らくその子は長い間、本当の意味で「自分で考えてわかる」という経験を少なくとも算数では滅多にできずに来ていたのではないかと思うからです。
わかるというのがどういうことかは自ら経験しなければ本当の意味では理解できませんし、「よく考えなさい」と言われても、考えるということがどういうことなのか、それもよくわかっていない可能性もあります。
ですが、教具を見せたりしながら、数を具体的にイメージできる手立てを得て、次の段階としてそれを頭に思い描いて、それを操作することで、「あ!これは○○だ!!」と自分の答えに自信を持つことができた、その経験を重ねることで、考えて分かるということはこういうことなのかと、自ら実感できるのではないかと思うのです。
そして何より、そうやって自信を持って答えられるということは快感ですし、考えて分かるというのは楽しいな、気持ちいいなと感じる機会が重なれば、だんだんと考えることが好きになり、算数が楽しくなるかもしれません。
考えること自体は時間がかかるかもしれませんが、短期間で変化が見え始めたことは私にとっても、恐らくその子にとっても励みになるのではいかと思います。
夏の間にどこまでリカバリーできるか、ちょっと楽しみです。
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