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2014年7月15日 (火)

考えるのは楽しいこと

先日から一緒にレッスンさせてもらい始めた低学年さんがいます。
おうちの方のお話だと、色々がんばっているものの、数の感覚がどうも身につきづらいということなのかなと、まだ低学年さんなので、最初の段階からおさらいを兼ねてレッスンすることにしました。

初回は10までの数、10までの足し算で、そのあたりは何度も練習をしたからなのかもしれませんが、お話を伺っていたより遥かにスムーズに進みました。
おさらいの内容なので、ささっとできるところはさらっと進んでいくことになるのですが、今回のレッスンで少しずつ、おうちの方がおっしゃっていたことはこういうことなのかなと感じられることが出てきました。

簡単な例でいえば、数の感覚が伴っていないのに計算式による計算を何度も反復して答えを覚えているような、そんな勉強をしている子などにはよくあることなのですが、式を見るととにかくすぐに答えを書こうとして、更に書いた答えが違うとわかると、こちらの顔を見ながら、「3?4?」などのように、次々と答えを言って、どれが正解なのか聞こうとするということが癖になっている子に、塾講師時代からこれまでに何人も出会いました。

それは考えているのではなく、考えずに答えを当てずっぽうで言って、合っていればラッキーというようなことで、そんなことをいくら繰り返しても考える力は身につきません。
何より、そんなことをいくら繰り返しても、ほとんど頭を使っていないわけですから、賢くなるはずがありません。

ですから、うちの教室に来た時点でそういう傾向が見られる子たちは、とにかく自分で考えるよう仕向け、それが当たり前になるまでの間はお互いの根競べです。

少なくとも今、その低学年さんはまだ「集中して考えているときの穏やかで美しい表情」とは明らかに違う表情で、まだ頭の中を回してもいないであろうタイミングで答えを書き、違うといえば慌てて別の答えに書き直そうとしていますから、なんとか少しでも早く、じっくり考えてわかったときの気持ちよさ、楽しさを感じてもらえるようがんばらなければと思います。

その子は今回のレッスンから帰って、難しかったと落ち込んでいたそうですが、ろくに考えずにすぐ答えが出るようなものをどれだけやっても、それはほとんど時間の無駄になってしまうでしょう。
とすれば、難しかったと感じ、それで落ち込む方が、その子にとって有意義な学びになっているということなのではないかとも思います。

これからしばらくの間、その子も苦しいと感じることが続くかもしれません。ですが、なんとかそこを乗り越えてくれれば、きっと確かな力を身につけることができるはずだと思っています。

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