考えてるんだな。
高学年になってから来てくれた子で、とても真面目に取り組んでくれているものの、一進一退、お?と思っては、あらら…と思ってを繰り返している子がいます。
もちろん、何事も一足飛びにできるようになどならないことはわかっていますし、勉強などではよく、坂を上るイメージではなく、階段を上るイメージで伸びていくとも言われますから、いつかぴょこんと段を上がってくれると信じて向き合っているのですが、真面目すぎるのか、質問には必ず「~~です」とか「~~ます」とか、そんな言葉遣いをする子はほとんどいない中、きちんと丁寧に言わねばという方に意識が行き過ぎているのかもなと感じるぐらい、構えてしまうのももどかしく感じることがあります。
それでも本人が一所懸命考えているのであれば、待てる限り待とうと思うのですが、この子の場合、真剣に考えているのにどこか全く違うところに迷いこんでいることもあり、そのあたりの判断が難しくて、いつ声をかけるかも難しいところです。
その子が今回のレッスンで、3回のテストの平均点が75点、合格点は80点だとすると4回目のテストで何点取れば合格できるかという問題を考えていました。
平均の学習は既に済んでおり、この類の問題もやったことがあるので、すぐにわかるかなと思ったのですが、なんだかえらく考え込んでいます。
内心、やったことあるはずなのに、なんで全く動かないんだろう…と思いつつも、余計なことは言わずにしばらく待ってみようと、ほかの子達を見ながら、目の端で様子を見ていました。
すると、見ていてまどろっこしくなるものの、
3回 平均点 75点
国語
算数
理科
社会
などとそれはそれは丁寧な字で書き始め、とりあえず考えようとしていることがわかったので、そのまま黙って様子を見ていると、そこからもまだまだ長い道のりではあったものの、□÷3=75 と書いて、少し考えて□の中に225と書き、次に □÷4=80 と書いて、また少し考えて、□の中に320と書き、そこからまた少し何か考えているような間があって、ようやく 320-225=95 という式と答えに辿り着きました。
本来であれば、既に教室でも学校でも学習していることですし、そこまで時間がかかるのはどうなんだ?という話かもしれません。それでも、私が全く手助けしなくても、本人がじっくり考え、分かることを紙に書き出し、ゆっくりゆっくりではあったものの、正しい考えできちんと正解に辿り着くことができたのを見て、なんだかちょっと安心し、嬉しく感じました。
目に見える大きな変化はなかなか見えないものの、この子なりに随分考えられるようになってきているのかもしれないなと。
ぴょこんと段を上がる時期が来たら、きっと本人ももっと自信が持てるようになるのだと思うので、少しでも早くその日が来てくれるといいなと思います。
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