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2014年5月20日 (火)

加減が難しい。

教育において「ピグマリオン効果」といわれるものがあります。
Wikipediaによると「教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。」と書かれていますが、分かりやすい例でいうと、スタート時、成績が同じ2つのクラスを受け持つ先生に、事前に片方のクラスは成績がよい子達だと伝え、もう片方は成績が劣る子達だと伝えると、「この子は成績のよい子達だ」と思っている方のクラスの子達の成績は上がり、そうでない方の子達との差が広がっていくと。

それはこの子達はできる子達なのだと思って接するのと、この子達はできの悪い子達なのだと思って接するのとで指導する側の指導に差が出ることや、できる子達だと思って接してもらうことでそれが自信につながり、実際に成績が上がっていくというようなことがあるようですが、その話を知ったとき、ちょっと唸ってしまいました。
そして、確かにそういうことはあるだろうなとも思いました。

教室を始めたときに知ったことでもあり、また、教室を始めた当初、それまで塾講師をしていた頃には、この年齢の子にこんな問題は解けないのでは?と思っていたものを子どもに提示するとき、私に先入観や偏見があったように思いますが、目の前の子ども達の能力のすごさを見ているうち、「このぐらいはできるはず」と自分の中の基準が随分と書き換えられ、更に、実際にある程度一緒にレッスンしていると、この子ならこのぐらいはきっとできると思って提示した問題は、学年配当などを考えると驚かれるかもしれないようなものでも、大抵できてしまうということを何度も経験しました。

以来、なるべく先入観を持たないよう、算数が苦手そうな子、苦労している子でも「この子は算数ができないのだ」というような決め付けを極力しないよう、そう心がけています。

ただ、自分の予想や判断が常に完璧なわけではもちろんありませんので、この子が一所懸命考えればこれならできるはずと思って提示したものでも、必ずしも予想通りに行くわけではありません。
その日のコンディションなどにもよりますが、できるはずなんだけど…と思いながらもその予想が何度も外れると、迷いが出ることも。

最近のレッスンで、ある子と国語の学習をしていたとき、これまでもう何度も何度もそのやりとりをしてきた基本中の基本について、その子はまだ曖昧なようでした。
それについてのやりとりは二、三度というようなものではなく、昨年度だけでも十数回かそれ以上確認し、説明をさせてきたことなのですが、それでも未だにその子の中で消化できていないようなのです。
とても真面目な子だけに、ここまで頭に入らないのはなぜなのか、ついあれこれ考えてしまいそうになるのですが、そういうときに迷うのは「この子はできない子」と思えば、手取り足取り分かりやすく説明することもできなくはありません。ただ、本当はできる子、できる可能性がある子にそれをすると、本来伸ばせる力を押し込めてしまうことになってしまうので、どちらがその子にとっていいのかということ。そのあたりの加減が難しいです…。

まあ、もちろん私の力不足というのが最大の問題なのですが…。
その子にとってどうするのがいいか、次回のレッスンまでにまた考えてみようと思います。

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