「あれ?これおかしくない?」
昨日のレッスンでのことでした。
小さい頃から来てくれているものの、算数は好きではないようで、おまけに難しい問題を考えて解けても特に嬉しいとも思わず、やり方を教えてもらってマルになればそれでいいのだというスタンスの子がいます。
その子は数年前少し遠くにお引っ越しをし、それでも土曜に通ってきてくれているのですが、わざわざ来てもらっているのに本人は楽しそうでもないし、考えて分かったときに嬉しいとも感じないというし、なのに通ってもらっていてもよいのだろうかと気になりつつ、何年かを過ごしてきました。
真面目な子ではあるので、レッスンにもきちんと取り組んでくれるのですが、確かにいつも問題が解けてもさほど嬉しそうな風もなく、まあ、確かに教科の好き嫌いや性格などもみんなそれぞれだから、仕方ないのかなと思っていたのです。
しかし、土曜のレッスンで、普通の算数の問題ではなく、規則を見つける、それもややパズルめいた問題のプリントが何枚か続いたとき、大半の子がかなりの時間考え込み、それでもノーヒントでは思いつかない子も少なからずいる問題を、その子は少し考えただけで、うまく説明はできないものの正解を見つけ出してしまいました。
それだけでも十分すごいなと思っていたのですが、更に先に進み、今度はマッチ棒を使って長方形や正方形を作っていく際、本数ごとに何通りのものができるかを考える問題が出てきました。
すると、あれこれ考えて解き始め、ちゃんとマルになって3枚目のプリントになったときに、自分で考えて答えを出し、更に私がそれにマルをつけたにも関わらず、何か考えている様子で、どうしたのかなと思っていると、しばらくして「え?これ違う?」と、今私がマルをつけた答えについて、間違っているのではないかと尋ねてきました。
なんでだろうと思いつつも、「え?合ってるよ?なんで?」と尋ねると、1枚前のプリントでそれより少ない本数の場合の答えと同じ答えになっているからだというのです。
もちろん、マッチの本数が4で割り切れるか割り切れないかで何通りかの答えが同じになるものが出てくるため、その子の答えはどちらも正解だったのですが、なにより私が驚いたのは、これまでじっくり考えることも好きではなく、そうやって解けても特に嬉しいとも思わないと言っていた子が、じっくり考えた末に出した答えに私がマルをつけたにも関わらず、まだその問題について考えていたことでした。
なんだかもうものすごく感激してしまい、最近は涙腺が極めて緩んでいるため、冗談抜きに思わず泣きそうになったのですが、さすがに突然私が泣き出したら絶対驚きまくられるなと、必死で涙をこらえ、「すごいね!よく考えたね。なんかめちゃ嬉しいわ!」とだけ言いました。
その子はなんだか不思議そうな顔をしていましたが、レッスンを終えて帰るとき、更に嬉しくて可愛くてたまらなくなったことがあったのです。
その子は遠くから来てくれている上、土曜も学校があることがあり、月に1回前後お休みすることが多いのです。
ただ、平日に振り替えるにもなかなか難しいこともあり、更にもう高学年で進度も速い学校に行っているということもあり、おうちの方に、来られるときのレッスンを少し20分ずつ延長する案をご提案していました。月3回20分ずつ延長すればちょうど4回分のレッスンになるので、どうでしょうと、その子もいるところでお話をし、でも、本人がいやだったら無理はしなくていいですと言い添えておきました。
本人にその返事をするようおうちの方が伝えていたようなのですが、最初はとにかくもじもじして、言わずに帰ろうとしたので、「無理はしなくていいよ。これまで通りにしとく?」と尋ねても、まだ恥ずかしそうにもじもじ。
「言わないで帰ったらお母さんに聞くからいいけど、『なんで言わなかったの?』って言われるんじゃない?」と笑いながらいうと、もじもじしながら「今言う。」と。でも、まだしばらくは躊躇っていて、ようやく出た言葉が「時間のばす。」と。でも、それを言いながらもずっと恥ずかしそうにしているのです。
なんだかその様子が可愛くてたまらなく、おまけに嫌いと言っていたはずの算数の時間を自ら延ばすと決心したことにも感動し、またも泣きそうになりましたがこらえました。(笑)
小さなことかもしれませんが、とてもとても幸せな気持ちにしてもらいました。
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