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2014年3月25日 (火)

イメージできるかどうか

イメージできるかどうかというのは、図形や映像などに限ったことではないのだなと。
例えば、昔、塾講師をしていた頃にこんな子がいました。その子は中学生で、数学はあまり得意ではありませんでした。計算も速くはないのですが、単位に「円」がついた途端、明らかに計算が速く正確になるのです。
その頃は「おもしろいなぁ」と思っていましたが、子ども達を見ていても、もちろん自分自身でも、問題文を読んだり、計算式を見たりしているときに、何らかのイメージができれば問題を考えることができますが、イメージできなければ何をどうすればいいか全くわからないわけです。

今日のレッスンで1年生さんがある問題を考えていました。
お父さんはかずくんより28歳年上でお母さんはかずくんより25歳年上。お父さんとお母さんはどちらが何歳年上かという問題だったのですが、この問題、大人からすればなんでもない問題ですし、子ども達の大半はすんなり「28-25」で「3さい」という答えを導くことができます。

ただ、全体の1、2割ぐらいでしょうか、その問題で考え込んでしまう子がいます。
そういう子達も、例えば、「お父さんは32歳、お母さんは29歳、どちらが何歳年上でしょう?」というような問題であれば、ほぼ迷わず「32-29」という式を立てることができるはずです。

先の問題の場合、お父さんやお母さんはかずくんよりいくつ年上かは書かれているものの、何歳なのかは書かれていないため、まだ小さい子達の中にはどういうことなのかイメージできない子がいるようです。
ですが、そんな子に、例えば「もしかずくんが生まれたばかりの赤ちゃんでまだ0歳だったらお父さんは何歳?」というように、かずくんに何らかの年齢を設定するとお父さんとお母さんが3歳違いだと理解できるようになります。

歳のわからないかずくんに更に歳の分からないお父さんとお母さんという設定で、全く何もイメージできない状態の子もいるのだろうと思います。
それをかずくんに年齢を設定したり、かずくんではなく自分に置き換えてみたりすると、ほとんどの子が考えられるようになるのです。

この問題に限らず、書かれていることを図に表せるか、何かに置き換えることができるか、そういうことができれば、問題の内容をきちんと理解し、何らかのイメージができているということですから、その時点で半分以上解けたようなものなのかもしれません。
そういう意味でも、イメージしづらい問題に出合ったとき、何か簡単なもの、身近なものに置き換えられる能力は算数を解く上でかなり重要なものなのだろうなと思います。

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