レッスンをしていて、時々、それは絶対あかんやろ?というような、意味を考えない間違いをしている子や、どう考えても問題をちゃんと読んでないよなと思われる答えを書いている子などに遭遇すると、できるだけどう考えたのかを尋ねるようにしています。
あり得ない間違いをしているときにやり方を教えても、反射的に解けるようになるぐらいまで大量に反復するのでなければ、また同じような間違いをしてしまいがちです。
だとすれば、本人にしっかり気付かせること、自分の頭で考えた結果、やっていたことがおかしいとわからせることが大事になってくるのだと思います。
今日のレッスンでも、分数の掛け算のところをやっていた子がおかしなことをしていました。
当然ながらテクニックは教えていないものの、高学年になってから来てくれた子で、まだあまり数量感覚が伴っていないこともあって、あり得ないような間違いをしていたのです。
「1/6(6分の1)×2×4」という問題を、何を思ったか、分子同士の2と4を約分していたのです。
初めはなぜ「×2×4」なのに、それが「×1×2」になるのかと尋ねたのですが、全くぴんときていない様子。
そこでこう尋ねてみました。
「1/6×2×4ってどういう意味?」
すると初めは「1/6に2をかけて…」と言い始めたので、「2をかけるってどういうこと?」と更に尋ねると「2倍ってことで…」というので「掛け算知らない子にもわかるように説明してくれる?」とたたみかけるとようやく「1/6が2回ってことで」という言葉が出たので、「そうよね?それで?」というと「1/6を2回合わせたのを4回合わせるってことです。」と説明してくれました。
「そうよね?なのに、なんでそれがそんな計算になるの?」というと、ようやく自分がやっていたことがおかしかったことに気付き、ほかに間違っていたものも直すことができました。
ほかにも、その子なりにすごく考えてはいるようなのですが、何をどう考えたのか予想もつかないような式がかかれているところがあったので、それもまた質問攻め。
そうして、何度も何度もやりとりをした末、ようやく正しい答えに辿り着いてくれました。
人が見たら、何を回りくどいことしてるんだ?と思われるかもしれませんし、確かに時間はかかります。
ただ解いて先に進めばよいのであれば、やり方を教える方が恐らくお互いに遥かに楽なはずです。でも、それではそう簡単に自分の頭で考えて納得する学びはできるようにならないのではないかと思うのです。
今日のその子にはまだ1年以上小学生の期間がありますから、その間にどこまで変わってくれるか、じっくり向き合っていきたいと思います。
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