つい先日のこと。
中学受験の算数の問題を解いていて、ある問題ではたと行き詰りました。
私は中学受験経験がありませんので、大人になるまで中学受験の算数というものに触れることはほぼありませんでしたし、受験算数の中でしか出合うことのない問題というものもあって、お恥ずかしい話ですが、問題によってはすんなり理解できないことがあります。
今回行き詰った問題というのは、時計算の応用問題で、大まかにいうと、「1時10分頃に勉強を始めて、勉強が終わったのが2時過ぎ。1時10分頃の短針と長針が作る角と、勉強が終わった2時過ぎに長針と短針が作る角が同じになったとすると、勉強していたのは何分間か、また、終わったのは2時何分か。」という問題でした。
勉強していたのが何分間かというのは解けたのですが、終わった時刻をどう考えたらいいのかぴんと来ず、解説を見たところ、式がひとつ書いてあるだけで、その問題に関しては一切説明が書かれていません。
こんな問題ができて何になるんだろう?という思いはするものの、自分が理解できないからやらなくていいよと言ってしまうのはさすがに無責任です。
とりあえず、子どもとその問題をやるのはまだ当分先ですから、しばらくあれこれ考えてみようと、ひとまず保留にしました。
そして、問題を見ていないときも、何かしている合間に何度も問題を思い返し、そのうち、とりあえず仮に1時10分だったら2つの針の作る角度は何度なのかを考えてみました。
すると、それでは答えに合わない。そこで、1分ずつ時間を進めてみると、だんだんと答えに近づいていきます。
そこで、最初は極めて回りくどい方法で、とりあえず問題の答えである「2時5と143分(ぶん)の125分」という答えに辿り着きました。
そうやって答えに辿り着いた途端、あれ?あ、そうか。スタート時の針の間の角度がわかってるんだから、スタート時が何時何分かわかるなと。
そして、開始時刻がわかったので、そこから先に解いてある何分間勉強したかの時間を足して、同じ答えに辿り着いたのですが、そうやって答えを出し終えようとしたとき、あ!そういうことか!と、ようやく、恐らく一番望ましい解き方に気付きました。(遅いんですけどね…(苦笑))
終わったときの針の間の角度も同じだとわかっているのだから、いきなり2時何分かを求めればいいのだと。
そこまで来てようやく、解説にたった1つ書かれているだけの式の意味が理解できました。
とてもすっきり晴れ晴れしたのですが、その過程を経ながら改めて考えたのは、一般的な一斉指導の塾で、私のような方法で正解に辿り着き、問題を理解するというのは、問題を与えられてすぐに反応できる子以外、ほぼ不可能だよなということ。
また、塾の先生としても、理解できる子も理解できない子もこの問題をとりあえず解けるようにしなくてはということになると、それがいい方法であろうとなかろうと、公式やパターンを作って、覚えこませて当てはめさせるという方法を取らざるを得ない面もあるのだろうなと。
ただ、私の場合、時間はかかりましたが、本当に納得して答えが出せましたし、回りくどい方法も合わせて3通りの解き方をしたわけですから、今後は場合によってどう考えるのが簡単か比べることもできそうです。
何より、自分でさんざん考えて気付いたことですから、次またそんな問題に出合ったときに頭に残っている可能性は教えられてとりあえず覚えたのとは比べ物にならないだろうとも思います。
そう思うと、例えば、中学受験を考えているからと低学年から受験塾に通ったりというのは決して望ましいことではなく、早くスタートすることができるのであれば尚更、最初はじっくり時間をかけて、取り組む問題数は少なくても、1つ1つしっかり理解しながら進めて行くことこそ、高学年になって頭打ちになることなく、むしろ、より力を発揮できるようになるためにとても大切なのではないかなと感じます。
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