少し不思議なこと。
小さい頃から来てくれているものの、どうにも算数が苦手らしい、もう高学年になった子がいます。
おうちの方にお話を伺うと、算数に限らず、勉強全般があまり好きではないようで、ただ、絵を描いたり何かを作ったりするのは大好きなのだと。
人それぞれ興味も能力も異なりますから、みんなが何が何でも算数ができるようになるべきだとは思っていませんし、本人ができないままでも平気なのであれば、嫌なものを無理強いする気は全くありません。
ただ、その子の場合、できないのはイヤ。学校の授業が分からないのはイヤ。そんな気持ちはあるようですので、ある時期からは学校で習うことを中心にレッスンをさせてもらうことになりました。
ただ、しばしばあまりにもあり得ない答えを書いたりするので、小さい頃からずっとやっていてもこの状態ということは、もしかしたら数量感覚が極めて身につきづらい子なのかもしれないと思いかけたこともあったのです。
しかし、あるとき、絵や図を描かせてみると、例えば、3分の1や5分の1などの長さがかなり正確にかけることを発見。
それ以降、いい加減な答えを書いて平気でいるときには、必ず絵や図を描かせるようになりました。
そして、最近は割合の学習をしているのですが、割合は算数が得意な子達でもやや苦労する子が多い単元のひとつ。公式を覚えさせたら恐らく一層混乱するだろうと、極力公式については触れず、問題に取り組んでもらっています。
そんな中、今日は基本的な問題ではあるものの、食塩水の問題があり、やってもらうかどうするか少し迷ったのですが、最初の問題が「20%の食塩水を100グラム作るには水はどれだけ必要ですか・」というもので、100グラムの20%が20グラムというのは、私が言わなくてもきちんと計算できていたこともあり、紙に長方形を描いて「このうちの20%ってどのぐらい?」と尋ねると、ほとんど迷うことなく、少し考えて全体の5分の1あたりに線を引きました。(正直なところ、これができるのにどうして算数の力が伸びないのか、未だよくわからないのですが、要するに本人が興味を持っていないことが最大の原因なのかもと思ったりしています…。)
そこが食塩だということを確認したら、後はほぼなんの助けもなしに、その図を見つめて計算を始め、「80グラム」と正解を出しました。
次の問題もやはり長方形を描いて同じように考えてもらったらちゃんと解くことができました。
う~ん、やっぱり、興味さえ持てばもっとできるはずなんだけどなぁ、この子…。
まあ、苦労するのではと心配していた割合の単元を思った以上にがんばってくれているので、それは本当に嬉しく思っているんですけどね。
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