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2012年12月26日 (水)

「やり方忘れた」

今日のあるレッスンでのこと。
学校ではようやく九九を学習し終えたぐらいの子ですが、教室では既に2ケタや3ケタかける1ケタを暗算で考えることができるようになっています。
その子と掛け算の筆算をしていたのですが、既に暗算でできるようになっている計算であるにも関わらず、筆算を解きながら
「やり方忘れた~!」とレッスン中に二度言いました。

もともと、筆算であっても「やり方」というのは教えていませんので、例えば

  38
× 7 

のような問題があったとしても、敢えて「8×7」と「30×7」で考えてもらいますし、3ケタになっても何百かける1ケタという言い方をするようにしています。
もちろん、数量感覚のある子などは、何も言わなくても位の数をかけてその位の下に書いていく(繰り上がりはひとつ左の位に書いておく)ことに気づく場合もありますし、ちゃんと意味を考えて解けるようになった後で、そのことに気付かせるように声をかける場合もあります。

ただ、教室の子達のほとんどは学校で筆算を習うより先にこちらで筆算をしますし、学校ではいわゆる「やり方」を教わることになるでしょうから、少なくとも教室では意味を考えずに機械的に答えが出るという状態で通り過ぎることは避けたいのです。

で、先ほどの「やり方忘れた」と言った子に、「やり方なんて教えたことないよ?こんな掛け算、暗算でちゃんとできるようになってたやん?意味を考えたらできるはずよ?」と声をかけると、気弱な声を出しながらも、考えたらちゃんと答えが出たのでひと安心。

ただ、考えないと、本来、繰り上がってきた数と合わせて十の位に書く数を、間違って百の位に書いてしまって、「95」になる答えを「545」と書いてしまったりということがあり、そんな風に間違っている場合は、何を計算しているのかちゃんと考えるよういうと正しい答えに直るというようなことも。

だからこそ、早い段階で機械的にやり方を教えてしまうのは危険だと思うのです。
機械的に出した答えはそれが合っているか間違っているか、他人に見てもらわないとわからないような状態になってしまうこともあるわけです。
初めはたとえ時間がかかっても、かならずしっかり意味を考えて、納得した上で必要であれば「やり方」を教える、覚えるという順序で進んでいくのが、後々大きな力の差になって現れてくるような気がします。

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