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2012年9月 8日 (土)

これまたすごい!

教室に来てくれている子達の多くは、九九の暗記より先に意味を考えて掛け算を学びます。
学校で覚えるように言われるまでは、ここでは敢えて覚えるようにも言いません。
そして、九九を覚えていない状態のまま、割り算まで進んでいく子たちがいるのですが、今回、そんなひとりの子が自分なりに見出した考え方を見てびっくり!そして、かなり感動してしまいました。

九九は覚えて使うものというのが、私自身子どもの頃には当たり前でしたので、掛け算の意味を考えたり、計算を工夫したりという発想は残念ながら出てきませんでした。
しかし、九九を覚えていなければ、ただひたすらにたしていくのは大変なので、その子なりに工夫しているのが伺える場合が多いのですが、割り算ではこれまで、目立った工夫というものには出会った覚えがありませんでした。

今回の子が自分なりに見出した方法はというと…。

プリントに割る数をいくつも書き並べ、その後で10の補数(7と書いたらその上に3、6なら4というように)を書いて、それを見ながらそこそこ速いペースでどんどん問題を解いていくのです。
割る数が2のときには何も書いていないようですし、3や4のときにも補数のような書き方はしていません。
初めは、割る数を書き並べて足し算していき、割られる数になるまでを考えているのかと思っていたのですが、補数を書いているのを見るとどうやらそうではないようです。
時には10の補数の組み合わせをいくつか書いた後、一番端に2とか4とか更に何か数字を書いています。

う~ん…なんだろう…。
しばらく考えても思いつかず、「それ、どうやって考えてるの?」と尋ねたものの、笑いながら「え?10にしてるだけ」と、答えにならない答えが返ってきたため、再びじっと書かれているものを見てあれこれ考えていたところ、あ!!そういうこと?!と気づき、それまでに書かれているものを見返していくと、やはりどうやらそのようです。

その子の考え方というのは…。
例えば、「61÷8」であれば、

まず 8を6個書き並べ、次にそれぞれの上に補数の2を。(10の組が6つ。) そして、端に「1」

 222222
 888888 1

合計で割られる数の「61」になるようにこんな風に書いた後、8がまずは6回。あとは補数で2が並んでいる中に8がもう1回分。そしてあまりが2と2と1で5。そんな流れで考えているようなのです。

当然、こんな方法を普通の大人が思いつくはずもなく、本人も誰かに教わったのではなく自分で考えたと言っていましたので、それは間違いないだろうと。
でも、すごくないですか?自分で10を割る数とその補数に分け、補数部分で更に何回か取れるか取れないか判断し、あまりまできちんと出す。
そして、この方法は、九九を覚えていない子でもかなり正確に、それなりに速く解くこともできそうです。

ああ、もうホント、子どもって天才!
手取り足取り教えずに見ていれば、面倒ならその子なりに工夫しようとして、その結果、こんな思ってもみない素晴らしい解法を見出したりするんですよね。
かなり感動したのですが、こんな説明で、果たしてこの感動が少しでも伝わるでしょうか…。(汗)

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