今日は体験レッスンがお一人とイレギュラーでの幼児さんとのレッスンがあり、出勤していました。
ある程度通ってくれた子達のほとんどは、当初そんな状態が見られたとしても、だんだんとそうではなくなっていくのですが、体験レッスンや不定期のレッスンに来てくれる子などを見ていると時々感じることがあります。
それは、かなりの子達が、それも小さい子であっても、急いで答えを出そうとしているようなのです。
うちの教室では、だらだらしている場合はともかく、その子が考えているようであれば、待てる限りじっと待っています。考えている途中に邪魔をすることは極力避けるよう努めていますし、理解できていないときに無理に説明して、納得した気にさせたりもしません。
そんな風にして次へ進んでも、それは結局あまり役に立たない場合が多いようにも感じているからです。
私とのレッスンに慣れてきた子達は、大抵はここではゆっくり考えてもいいんだということを感じ取ってくれて(そうでない子には何度も何度も「慌てなくていいから」「ゆっくり考えて」などを声をかけ続けていきますし。)、自分で納得できるまで考えようとしてくれます。
しかし、初めてのレッスンの子やまだ通い始めて日が浅い子達の中には、いや、まだ全然考えてないでしょ?というようなタイミングで答えを書いてしまったり、文章題をまだ最後まで読み終えないうちに、とにかく出てきた数を順に並べて、足すか引くかを書いてしまったり、どう見てもまだ頭の中に問題が入ってないよね?と感じることがあるのです。
「ゆっくりでいいよ」「慌てなくていいよ」と何度も声をかけるのですが、そういう子たちはきっと、うちに来てくれるまでずっと、学校なり塾なりで「早くしなければならない」と感じて(感じさせられて?)いるんだろうなと思います。
実際、塾や教室によっては、小さい頃からスピードを求めるところも少なからずあるようですし、学校などでもタイムを計られたり、できた子から手をあげたりなどということがあれば、やはり「早いこと」がよいことなのだと思いこんでしまっても仕方ないんだろうなと思います。
現に、そういう価値観を子ども達に与え続けている大人が少なからずいるわけですから。
もちろん、ある程度の年齢以上になれば、早さを求められることもあるでしょうし、テストなど限られた時間内でどれだけ解けるかで成績をつけられてしまう環境にいれば、どうしてもその価値観はついて回ることは否定しません。
ただ、小さいうちは、あくまでも「ひとりひとりの子どものペース」というものを尊重してあげることが何より大事なのではないかと思います。
もちろん、算数に限ってみても、抜群に反応のよい子というのはいますから、そういう子に無理にゆっくりさせる必要はないでしょうが、どうしても時間がかかる子もいるわけですから、そういう子たちにはその子が精一杯考えるために必要な時間を与えてあげれば、伸びはゆっくりかもしれませんが、その子なりに力をつけていくだろうと思うのです。
今日のレッスンの子達はみんなまだまだ小さい子達でしたが、目の前で焦っている姿を見ながら、本当は焦る必要なんてないのに、そんな風に焦るようになってしまったのは私達大人のせいなんだよね…と思うとなんだか申し訳なくて、心の中でごめんねと言いながら「ほかでは早くしなきゃダメかもしれないけど、ここではゆっくりでいいよ。慌てなくていいよ。」と何度も声をかけました。
この子達、自分のペースでゆっくり考えさせてもらっていれば、もっともっと力を発揮できるんだろうなと。
もちろん、この子達に限らず、急がなくちゃ!と思ってしまっている子ども達みんなが、自分のペースでゆっくりじっくりやれたら(もちろん、それはほったらかしていればいいということではなく、大人がその子の表情などをきちんと見ておく必要はあるわけですが)、それぞれの子がもっともっとその子の持てる力を伸ばせるんだろうなと、そんなことを感じました。
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