変わってきたかな。
通ってくれるようになってまだ比較的日の浅い低学年の子とのレッスンでのこと。
これまでは、あまり考えないうちに探りを入れるようにこちらの顔を見ながら「○○?」ととりあえず答えを言ってみるということがしばしばあり、そのたび、きちんと考えるよう促してはいたものの、これまで恐らくそういうことを求められる勉強をあまりしてこなかったからか、悲しそうな顔になったり、「だってわからへんもん」と、どうみてもそんなに考えていない段階で投げ出そうとしたりということも少なからずありました。
しかし、今日のレッスンで、もしかしてこれまででは最も「じっくり考える」ということができたのではと感じました。
最初こそ不安そうに、いくつか当てずっぽうの答えを言ってみたりしていましたが、教具を目の前に置き、それをちゃんと見て、触ってもいいから考えてと促すと、初めはそれでもなぜか教具を見ようとしてくれなかったのですが(これまでもそんな傾向があったので、どうしてなんだろう?と思っていましたが)、途中で「これ、見てもいい?」とその子の方から聞いてきて、内心(見ていいってなんべんも言ってるのに、なんで?)と思いつつ、「いいよ。見るために置いてあるんでしょ?」と言って少し待っていると、今度は「これ、触ってもいい?」と。
理由はよくわかりませんが、その子の中で教具は見たり触ったりしてはいけないという思い込みがあったのかもしれません。(もちろん、これまでも何度も働きかけ、どうにか見てくれるようにしてきましたが、自分から今回のように切り出したのは初めてでした。)
かなり時間はかかったのですが、何問か、その子が教具を使って考えているのを見守っていました。
すると、最初は教具を使って、まさにそれを確かめながら、それでも答えが出るのに時間がかかっていたのですが、次の問題はその時間が少し短くなり、次は教具を見るだけで触らずにじっと考え始め、何問かやっているのを見て教具を最低限だけに減らしてみたのですが、じっくり考えている様子に全く変化はなく、最後には教具を見ずに答えが出るようになりました。
じっくり待ったとはいえ、その間恐らく10分ほどで、ある意味みるみる変わっていきました。
この子がこれだけの時間集中して穏やかな表情を見せたのは初めてだったんじゃないかと思います。
そういう経験のない子には、そうすることで理解できるときの気持ちよさを何度も味わってもらうしか変わってもらう方法はありませんから、やはり最初は時間がかかってもじっと待つことが必要なんだなと改めて感じました。
今回は本当に頭をフル回転させたんだろうと思います。終盤には本当にへろへろで簡単な問題もわからなくなっていましたから。(笑)
次もまた、この子のいい表情が見られることを願っています。
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